企業の組織における「せいだ病」のまん延を防げ問われるコーチング力(2/2 ページ)

» 2008年12月10日 08時45分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ),ITmedia]
前のページへ 1|2       

他人のせいにする社員をいかに管理するか

 職場のリーダーにはこの考え方を社員に徹底させてほしい。もちろんビジネスの現場では、日々困難な課題が出てきて、業績が上がらずに頭を悩ませている人も多いだろう。しかし、チームや組織のメンバー全員で知恵を絞り、共に働く幸せや喜びを感じられるのであれば、必ず乗り越えられるはずである。

 チームの中には、せいだ病に該当する人がいるかもしれない。リーダーはそうした人に何ができるだろうか? わたしは人を見る視点には次の2つがあると考えている。

1. 能力に問題ないか

2. 信頼できる人か

 仕事を任せて、口では「やる」と言いつつも結果を残さなかった。能力に問題があるかもしれない。かたや、「自分は正しい、できなかったのは○○のせいだ」と主張する。これは信頼に値しない人というわけである。

 そのような人と信頼関係を結ぶのは難しい。チームにとっても弊害になる。彼らをどうしたらよいか。2つの方法がある。

1. 率直にフィードバックする

 「君にはこの能力が足りない。身に付けてほしい」、「あなたの××な行動が問題になっている。そのままだと信頼関係が築けないし、組織が発展しない。この点を改善してほしい」と率直に伝えるのである。本人が自分の弱点、悪い点に気付いていないということがあるからだ。


2. 気を配り、影響を最小限に食い止める

 率直にフィードバックしても、一向に改善が見られない、変わらない人がいる。そういう人には組織やチームに悪影響が出ないように、常に気を配り言動に注意する。影響を最小限に食い止めなければならない。


 リーダー自身は、自分が持っていることに目を向け、日々の幸せをかみしめ、それをチームの中で徹底させる。チームの中でせいだ病の影響が出ないように、最大限の努力をしてほしい。

 次回は、リーダーに焦点を当てて今年を振り返る。


プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆