「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」ができないのは、社員のスキルではなく、経営者の価値基準に問題があるという。その状況は社内に見られる16の兆候からチェックできる。
皆さんの記憶にもまだ新しいと思う「2007年今年の漢字」。毎年、財団法人日本漢字能力検定協会が全国公募で決定する、世相を表す文字である。
そう、「偽」だった。
何と、9万816通の応募の中、「偽」が1万6550票(18.22%)と圧倒的多数を占めていたそうだ。ちなみに2位は「食」、3位は「嘘」、4位が「疑」という結果。これらもすべて、「偽」が選ばれた理由と重複するところがあるということなので、昨年の「偽」がどれほど多かったのかが如実に現れている。
食品・お菓子・老舗の「偽」、政治、特に年金問題の「偽」など、毎月何らかの「偽」が報道され、その度にトップが記者会見、頭を下げるという光景を何度も目にした。この「偽」の流れ、残念ながら今年に入ってからも変わっておらず、古紙配合率の「偽」が新聞紙面をにぎわせている昨今である。
「偽」がこれほどまでに蔓延(まんえん)している理由、皆さんはどのようにとらえているのだろうか?
100社を超える組織活性化の現場に携わっている経験から、「組織」を切り口に見てみたい。組織が引き起こしている問題として「偽」が起きている原因を考えるとすると、「不健康な組織である」と表現できる。
皆さんにも経験があると思うが、ある企業に訪問し、そこで感じる空気や雰囲気があると思う。パワーがみなぎっている組織もあれば、逆にこちらのパワーまで奪われそうな空気を感じる組織。言うまでもなく、後者のほうが不健康な組織だ。
不健康な組織には、次のような兆候が見られる。まずはご自身が所属する組織はいくつ当てはまるのか、チェックをしてみてほしい。
皆さんの組織ではどれくらいチェックがついただろう? 7つ以上チェックがつくのであれば、不健康な組織だ。皆でそうなっている原因を究明し、健康な組織になるために皆で治療法を考えることが必要になる。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授