未曾有の金融危機が国内の企業にも波及し、IT投資は鈍りがちとの見方が強い。2009年、IT企業はこの壁にどう立ち向かうのか。社長の意気込みを伝える。
未曾有の金融危機が国内の企業にも波及し、IT投資は鈍りがちとの見方が強い。2009年、IT企業はこの壁にどう立ち向かうのか。社長の意気込みを伝える。
日本の企業は業績予測や経営戦略の見直しを図るとともに、短期的に業績を達成するための投資抑制や経費削減、社員の生産性向上を目指す必要がある。
中・長期的な視点でいえば、企業の競争力の強化には戦略的なIT投資が不可欠だ。世界の経済状況が急変している時だからこそ、ITが企業経営や人々の生活に貢献できることを訴求したい。ピンチをチャンスととらえ、「地に足のついた」革新を目指し、企業活動を強化していく。
企業・法人向け事業では、経営の強化に直結する情報システムの構築に向けてソリューションビジネスに注力する。サービス事業、パートナー企業との連携強化に加え、ITの戦略的活用による経費削減や「社員力」の向上を実現するキャンペーンも展開していく。
ハードウェアの低価格化と高性能化、ネットワークの高速化などに伴い、コンピューティング資源をインターネット上に移行する「クラウドコンピューティング」が注目を集めている。ソフトウェアとサービスの利点を組み合わせながら、従来型の「自社運用」、パートナー企業のホストティング、マイクロソフトのホスティングによるサービス提供の3つを展開していく。クラウドコンピューティング向けプラットフォーム「Windows Azure」の技術情報も積極的に提供する。
米国に端を発した2008年9月の金融危機は、世界経済の急激な減速を招き、日本でも景気の悪化が進行している。企業にとって非常に厳しい状況で2009年を迎えることになった。
日本HPは、2008年を「変革の年」として、経済環境の変化に追従するのではなく変革を引き起こす企業を目指し、アウトソーシングやソフトウェアの分野に集中投資してきた。ITインフラの構築からコンサルティングまでを扱い、付加価値の高い提案ができる体制が築けた。
それを踏まえ、2009年は「進化の年」にしたい。2008年8月に米国本社でEDS(Electronic Data Systems)の統合が正式に完了した。サービスビジネスにおける全世界の優れたノウハウをグローバルな拠点から提供できる体制が整った。日本でもEDS統合によるシナジー効果で、「顧客の経営をリードするIT」構築を支援するよう進化していきたい。
世界的な金融危機で経済環境が一変している。この未曾有の経済危機をはじめ、環境問題など地球規模で解決が求められているさまざまな課題を、企業や社会全体で変革していく機会ととらえている。
世の中のあらゆるものがデジタル機能を備え、相互接続される環境をインテリジェントになるITインフラを構築していくことで、顧客のビジネスだけでなく、交通、環境・エネルギー、医療といった社会にかかわるさまざまな課題の解決に取り組みたい。2009年は次代への礎を築く年として、自由闊達な企業風土を基盤にIBMのグローバルな強みを統合し、活用していくことで顧客に高い価値を創造していく。
サブプライムローン問題に端を発した金融・資本市場での信用収縮に伴い、国内でも企業収益の悪化や個人消費の低迷が起こり、先行きの不透明感が強まっている。富士通は原点に返り、「顧客起点経営」を一歩進め、経営やビジネスの変革に役立てるように努力する。
約150名の社員に対して、ITを活用した業務の可視化や、社内および顧客の現場に入り込んだ実践を通じて、顧客視点で問題解決に取り組む「FIer」を育ててきた。2009年はFIerを軸に、従来のシステムインテグレーターとは違った方法で、現場の内側から業務プロセスや人の働き方、スキルの改善に取り組む。
2008年6月の社長就任から、海外体制の再編、北米子会社の統合などに取り組んできた。ドイツに拠点を置くFujitsu Siemens Computersの全株式を2008年11月4日に取得し、4月1日に完全子会社化する。この統合を富士通の変革の軸として、国内を含めたグローバルビジネスを大きく変革していく。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授