2009年1月の自動車販売台数実績において、中国が初めて米国を抜きトップになった。勢いこのまま、今年の販売台数でも世界一になる見通しだという。
中国は2009年1月、月間自動車販売台数が米国を超え、世界最大の自動車市場となった。月間自動車販売台数で中国が米国を超えたのは初めてで、米国にとっては1963年以来、自動車販売額が最低の1月となった。
中国の1月の自動車販売台数は79万台だったのに対し、米国の販売台数は66万8000台、前年同月から37%落ち込んでいる。
今年、中国の自動車販売台数世界一に
国家情報センター情報資源開発部の徐長明主任によると、中国の自動車販売は2009年、米国を超えて世界一になる見通しだという。中国では比較的大きな政策がここ数カ月で次々と打ち出されており、今年の市況は昨年末の予想より良好となる見込みとなっている。
今年の自動車販売の増加幅は4%から5%となることが予想され、そのうち乗用車の販売増加が大きく、約6%となる見込みだという。しかし2008年の生産台数は前年比5.2%増、販売台数は同比6.7%増と、最近10年の最低記録となり、GDP(国内総生産)成長スピードを初めて下回った。
2ケタ成長回復・販売1000万台突破か
中国の2009年の自動車販売台数は2ケタ成長を回復、1000万台の大台を初めて突破する見込みが高くなっている。外国の自動車メーカー大手数社が今年の自動車生産・販売目標を削減したのとは対照的に、国内自動車メーカーの多くは販売目標を引き上げた。このうち、東風日産乗用車公司と東風本田汽車は10%、奇瑞汽車(チェリー自動車)は15%、現代汽車は22%、販売目標をそれぞれアップした。
中国汽車工業協会担当者によると、中国の2009年GDP増加率は8%、工業増加値の増加速度は12%と予測されており、これらの数字から、自動車産業の成長レベルは12%前後を維持する見通しだという。
第3世代(3G)移動通信規格の時代が到来したことを受け、中国のサービスプロバイダー(SP)が資本市場で脚光を浴びている。外資からも熱い視線を送られ、2月11日にはオーストラリアの通信キャリア、Telstraが3億ドルを拠出して、中国のSP企業2社を一気に買収している。
Telstraは3億200万ドルで2社の株式をそれぞれ67%ずつ取得した。両社は国内の有名企業ではないが、今回の買収で業界の注目を集めている。
コンテンツへのニーズが急増か
3G時代にはコンテンツへのニーズが急激に拡大し、電気通信業界の再編合併後には、かつてのように中国電信一社が独占していた時代よりも競争が一層激しくなると予想されている。通信キャリアとSPとの関係にも微妙な変化が生じるとみられ、管理者と被管理者との従属関係が相対的に平等な協力関係に変わり、SPの経営は一層順調になることも予想される。
低調期にあったSP企業は過酷な生存競争の中で、ここ2年ほどはコンテンツプロバイダー(CP)への切り替えを進めてきたが、企業の時価総額は低く、外資が算入するには絶好の好機となっている。
中国SP企業の課題
とはいえ現在、中国におけるSP業務の前途はなお不明で、Telstraの買収は個別の案件に過ぎないとする見方も一方にある。Telstraは対中投資の経験が豊富で、これまでにインターネット企業7社に投資しており、今回の投資も分散投資が目的だとする見方もある。
3G時代はコンテンツが主役であり、通信キャリアはSPの支援を必要としているが、問題は現在すでにSP業界が衰退していることにある。
ナスダック市場に上場した中国SP企業数社の動向をみると、株価は低水準で推移しており、3G企業の株価が好調であるのとは好対照をなしている。
※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。
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明治学院大学 経済学部准教授