では、このホウレンソウをどのように実践したらいいだろうか。次の5つのステップを参考にしてほしい。
第1ステップ:リーダーがホウレンソウの重要性と役割について正しく認識する。
第2ステップ:ホウレンソウのやり方をメンバーに説明する。
第3ステップ:リーダーが自らホウレンソウを行ってみせる。
第4ステップ:メンバーにホウレンソウを実践させてみる。
第5ステップ:その結果を観察し、メンバーに自己評価させる。問題があれば、その場でフィードバックする。
ホウレンソウは、以前紹介した4つの質問(報・連・相シート)を活用するのが有効である。おさらいになるが、4つの質問とは以下の通りである。
うまくいったことは何か?
うまくいかなかったことは何か?
うまくいかなかった原因は何か?
次の一手は何か?
この質問に対する返答を週1回記入して、まずはリーダーがチームのメンバーにメールなどで送る。新入社員にも記入してもらい、それを全員で共有する。書く際に気を付けることは、時間をかけすぎないことだ(4問で10分程度が目安)。時間をかけすぎるとあれこれ考えてしまい、本題から外れたり、自分をよく見せようと思ってしまうからである。毎週会議を行っている職場であれば、事前にこれをメールで共有した後、会議の冒頭で議論するとよいだろう。
4つの質問をチームで活用する上で大切なのは、リーダーが率先して行い、自分がどのような心構えで仕事に取り組んで、どんな課題を抱えているかを示すことである。メンバーが記入してきたものに対しても、必ずフィードバックをすることが重要だ。せっかくホウレンソウをしても、それに対して何の反応もなければ、部下はなぜこんなことをやっているのだろうかと疑問に感じたり、これでいいのだろうかと不安になったりして、やる気を失ってしまう。「頑張っているね」「この点を改善したらどうだろう」など、ひと言でも意見を述べることが必要である。
なお、リーダーが行うホウレンソウについてもっと詳しく知りたい人は、拙著『リーダーが実行する新ホウレンソウの本』(中経出版)を参考にしてほしい。リーダーが率先してホウレンソウを行うことで、メンバーがホウレンソウの重要性を認識し、組織内でのコミュニケーションが円滑になる。ひいては新入社員が能力を発揮できる働きやすい職場になるのだ。
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細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授