上場企業の不正の実態について監査法人トーマツなどが調査したところ、過去3年間で回答企業の約2割が不正を行っていたことが分かった。
監査法人トーマツおよびデロイト トーマツ FASは7月1日、上場企業の不正リスクに関する実態調査の結果を発表した。回答企業の約2割で不正が発生しており、中でも資産横領が多かったことが明らかになった。
同調査は上場企業3870社(2009年1月現在)を対象に、過去3年間における不正の発生や実態などをアンケートしたもの。512社から回答を得た。調査によると、回答企業の21%で不正が発生しており、その類型は窃盗などの資産横領(69%)が最も多く、次が不正財務報告(29%)だった。部門別では販売・サービス部門(59%)、業種別では小売・卸売業(39%)の割合が高かった。損失規模は1000万円未満が68%を占めた一方で、5000万円以上の不正も16%に上った。
不正の原因には、不正コントロールの不備(33%)、企業風土や従業員の倫理観の欠如(22%)、リスク把握不足、モニタリングの不備(それぞれ17%)などが挙がっている。企業風土に関しては、成果主義(23%)や売上高成長率重視の経営方針(20%)が不正に大きく影響しているという。
不正の発覚ルートは、内部監査(30%)、内部通報(19%)、内部統制(16%)が上位になっている。
不正防止のための研修を実施する企業は61%で、内部通報制度の周知・徹底(34%)、倫理研修(29%)といった内容が主である。今後の不正発生リスクについては、73%の企業が変わらない、あるいは高まると回答している。
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明治学院大学 経済学部准教授