効果的なマーケティングを展開するためには、3つのメディアの特性を生かすことが重要だという。その中で投資対効果を生み出すための中核となるのがWebだ。
アイティメディアは6月17日、経営層に向けたセミナー「第9回 ITmedia エグゼクティブ セミナー」を開催した。基調講演ではネットイヤーグループの代表取締役社長兼CEOの石黒不二代氏がWebマーケティングによる経営改革の必要性を強調した。
石黒氏によると、生産者と消費者を一体化したマーケティングを展開するためには、マスメディア、ソーシャルメディア、自社メディアの3つのメディアの特性を生かす必要があるという。従来のような大量生産、大量消費の時代にはマスメディアが強さを発揮していた。しかし消費者の志向が変わり、携帯やインターネットなど情報収集するデバイスが多様化する現在の市場においては、企業のホームページを中心とする自社メディアや、ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に代表される個人がつくるソーシャルメディアがマーケティング活動において重要な役割を持つようになった。
自社メディアでは、企業や商品などの宣伝をすべて自分たちで手掛けることができる。テレビCMのような時間の制限もなく、雑誌や新聞の広告のようにスペースにとらわれることもない。ソーシャルメディアでは、メーカー側の一方的なメッセージではなく、消費者自身の客観的な意見や体験が反映されるため情報価値は高い。「情報の生かし方は消費者の手に移った。もはや企業は商品やサービスをつくり、ただマスメディアに流して消費者に知らせるというマーケティングだけでは通用しない」と石黒氏は指摘する。
これからのマーケティングに必要なのは何か。石黒氏は、効果を測定し投資対効果を高めること、マーケティング業務の効率化を促進すること、顧客にもマーケティング活動に参加してもらうことなどを挙げた。それらを実現するのがWebを活用したマーケティングである。特に投資対効果の面では、WebによってユーザーのIPアドレスを取得するなど科学的にすべての数値や行動パターンが測定できるため、顧客に関するデータを広く収集し、それを定量的に分析することでマス広告では実現できなかった解決策を導き出すことも可能になる。ネットイヤーグループでは、すべてのマーケティング活動の中核にWebを位置付け、エンドユーザーと企業の関係を強化する手法であるWebセントリックマーケティングを提唱している。
Webセントリックマーケティングを推進するためには、さまざまなマーケティング活動を一貫させることが鍵となるため、社内の組織の壁を取り外すことが重要だという。
「宣伝部門や広報部門などばらばらな縦割り組織で活動しても、マーケティングはうまくいかない。業務を変えて一貫した体制で臨むことが不可欠だ」(石黒氏)
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授