2009年7月にイタリアで開催されたG8ラクイラサミットでは、平均気温の上昇は2度を越えないようにすべきであるという認識が共有され、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに少なくとも50%削減し、先進国全体では80%以上削減するという目標が再確認・支持された。
2020年までに25%削減するという中期目標は、2050年に80%以上削減するという長期目標を達成するためのもので、西岡氏によると「中期目標の考え方は、何もしなかったら10年後には絶対に損をするので、今のうちから方向変更しておこう。その方が絶対得だ、というものだ」という。
同氏はCO2削減を早くから始めた方が有利な理由として、温暖化による被害や期待していたCO2削減技術が開発できなかった場合のリスク回避や、最後に一気に資金や人的資源を投資するのはかえって不効率なこと、低炭素社会のインフラ整備にはリードタイムが必要なこと、早くから取り組むことで技術開発の進展が望めることなどを挙げる。
2020年までに25%削減すると家計負担が36万円増えるといわれていることに対しては、炭素税などの税収を低炭素投資に回せば、温暖化対策を何も行わない場合と比べても、家計負担増は1万円程度にとどめることができると指摘(国内削減15%+海外10%のケース;国内削減25%の場合は年間の家計負担増15万円程度)。また、温暖化対策への投資についても、エネルギー費用の削減によって元が十分取れると強調した。
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