ITmedia 新しい市場に打って出て行く際に、ブランディングなどユニクロならではの取り組みはありますか。
勝部 まずはインターネットを活用してユニクロの情報を事前に流通させておくことが不可欠です。次に素晴らしい店舗と優れた商品を用意することです。ただし商品があっても良さが伝わらなければ意味がないので、プロモーションが必要になるわけです。海外では消費者とのコミュニケーションをとるためにテレビCMを打つのは難しく、交通広告を中心としたプロモーションや、オピニオンリーダーを介して情報発信してもらうやり方が適しています。
パリでの取り組みを振り返ってみても、「情報」「商品」「店」「PR」のセットが勝ちパターンだと言えるでしょう。例えば、H&Mのようなグローバルカンパニーが日本に進出する際にとった戦略も同じです。商品や店に対するプロモーションに非常に力を入れました。一種の基本形と言えるでしょう。
特に重要なのがWebの活用です。グローバルでどのように情報発信して収益を上げていくかを考えたとき、テレビや雑誌、新聞は日本のようなマスメディアではなくローカルメディアに過ぎません。Webのようなメディアについては今後も可能性がありますが、テレビには限界を感じています。海外に出たときにテレビを活用したコミュニケーションは採算が合いません。
ITmedia 店舗作りのプロモーションにおいて工夫されていることはありますか。
勝部 ZARAやH&Mとは違うユニクロらしい世界観はあると思います。整理整頓された商品やカラーバリエーション、モニターを使って最先端のテクノロジーを感じさせるようなプレゼンテーションなどが特徴的です。加えて、1000坪クラスの大きさを持つ店を確保することも重要です。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授