「あなたのBest」でなく結果を出して――ビジネス英語に必要なネイティブ感覚ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2010年04月08日 14時54分 公開
[関谷英里子(日本通訳サービス主宰),ITmedia]
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世界のエグゼクティブから英語を学ぶ

 言いたいことを最低限伝えられればいい、という考えをわれわれはそろそろ卒業しなければならないのではないだろうか。ビジネスのあらゆる分野で、日本人は大きく進歩し、成長してきているにも関わらず、英語だけは中学英語、基礎英語から脱却しようとしていない。

 ビジネス英語に関して、わたしが推奨している学習法は以下の3点である。

質の高いインプットをする

 現在は著名な政治家や経済人のスピーチがCD付の英語教材として購入もできるし、YouTubeなどで検索して触れることができる。人の心を動かす人はどのような英語を使っているのかに繰り返し触れることをお勧めしている。

教材例 

  • 『生声CD付(対訳)オバマ演説集』(朝日出版社)
  • 『英語で聴く世界を変えた感動の名スピーチ』(中経出版)
  • 『The Penguin Book of 20th- Century Speeches』(Penguin)

 読書に関していえば『アメリカCEOのベストビジネス書100』(講談社)には米国で推奨されている100冊のビジネス書が紹介されている。自分の興味ある分野のものからでも原書で読むことにも是非挑戦していただきたい。

インプットした英語をアウトプットする

 1で挙げた教材をまずは聞いたり、読んだりするインプットを行った後は、必ず声に出したり、書き写したり、ディクテーション(書き取り)をしたりしてアウトプットする。朝や仕事からの帰宅後10分を活用するだけでも大きく英語力が変わってくるのを実感できるだろう。

ビジネスの現場にふさわしい言葉を知る

 上記1の教材を使用する、もしくは拙著『カリスマ同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳』の活用もお勧めする。特に拙著の場合は下記3つの点に注意してある。

(1)イラストを使用しているため、重要単語のイメージを視覚的につかむことができる。

(2)ビジネスの現場を想定した例文を掲載しているため、例文を暗記したり、自分で応用文を作成したりして、すぐに実践で使える。

(3)引用文を掲載しているため、世界のエグゼクティブがどのようにその単語を使用したかが分かる。

 上記の点に注目して書いているので、読者にも分かりやすいのではないかと考えている。

 またビジネスの現場にふさわしい言葉を探す際は「類語辞典」を活用することも推奨している。例えば、前述の例の「言う」であっても、SHAREの他にもINFORMやMENTIONなどが類語辞典を引けば出てくるので、言葉を増やすのにも最適な教材といえよう。

 上記に挙げた教材を見れば、どれもさほど難解なものではないことが分かるだろう。ただ、ビジネスに必要な言葉遣いができているかどうかで、相手からの信頼度が変わるのであれば、身につけない手はない。

 自信を持って英語を使いこなして、世界で活躍する日本人に今後もどんどん増えてほしい。外国人相手にも堂々と自分の意見を述べ、世界と渡り合える日本人に増えてほしい。その気持ちでこのコラムの執筆に取り組んだ。ビジネスで使える英語を身につけて、多くの人に活躍の場を広げてほしいと願っている。

ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。


著者プロフィール

関谷英里子(せきやえりこ) 日本通訳サービス主宰

アル・ゴア元米大統領やノーベル平和賞受賞ダライ・ラマ14世やヴァージン・グループの創設者リチャード・ブランソン氏など一流講演家の同時通訳者。慶応義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事のブランドマーケティング、日本ロレアルのプロダクトマネジメントの現場で日本語・英語での事業提携交渉やプレゼンテーションの第一線を担い、その後独立。現在通訳及び翻訳家として活躍。近著に『カリスマ同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)


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