「心の症状」を採点してみよう。人間、時には怒ったり、泣いたり感情をあらわにすることでバランスを保ち、ストレスからは逃げることが大切。
現代社会はストレスにあふれています。多くの人が複数のストレスを持っています。またストレスに対する強さ、抵抗力は人それぞれです。ストレスに強い人もいれば弱い人もいます。ストレスに強かった人でも年を取るにつれてだんだんと弱くなっていくのです。
ストレスは身体のいたるところに影響します。ストレスにより副腎からコルチゾルというホルモンが分泌されます。いわばストレスに対する「その場しのぎ」のホルモンです。このホルモンが無いとその場もしのげないという点では重要なのですが、過大なストレスに長期間さらされると、このホルモンの悪い部分が現れます。身体の老化度や老化危険因子に甚大な影響があることがわかります(表)。ストレスは健康長寿の敵なのです。
わたしたちの調査ではエグセクティブの方々は日々の業務のなかで過大なストレスと対面していることがわかっています。ストレス対策を上手に行うことがエグゼクティブに課せられた宿命です。
アンチエイジングドックではストレス負荷の大きさはコルチゾル値を、ストレスに対する抵抗力はDHEAの値を、ストレスバランスはDHEA/コルチゾルの比率を目安にして計ります(DHEAについてはホルモン年齢の項を参照)。心身ストレスは100点満点のスコアとして評価されますが、いくつになっても80点以上を保ちたいものです。企業健診の中でも心身ストレスを評価することは大切です。
アンチエイジングドックで用いる共通問診票には「心の症状」に関する設問が21項目にわたり充実しているのが特徴です。
「いらいらする、怒りっぽい、意欲がわかない、幸せと感じない、生きがいがない、日常生活が楽しくない、自信を失った、人と話すのが嫌、憂うつ、役に立つ人間でない、眠りが浅い、寝つきが悪い、くよくよする、ど忘れをするよく眠れない、緊張感、理由なく不安になる、何か恐怖心を感じる」
これを1、全くなし、2、ほとんどなし、3、少しあり、4、中等度あり、5、高度にありの5段階で評価します。4か5の項目が3つ以上ある人は心身ストレス70点以下に落ちている可能性があり要注意です。該当する人は早急にストレス対策を始めてください。自分1人で考え込むのではなく、家族や友人、同僚、上司、産業医に早めに相談した方が良いでしょう。
わたしたちの調査では多くのエグセクティブが「心の症状」が非常に充実しており、意欲に満ち、仕事にやりがい、生きがいを感じ、日常生活が楽しく、幸福感が強いことが分かりました。これはストレスに打ち勝った結果だと思います。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授