ホウレンソウをしない部下に悩む上司ビジネスマンの悩み相談室(3/3 ページ)

» 2010年04月30日 08時15分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ) ,ITmedia]
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風土を変える

 少し話は変わるが、ホウレンソウがしっかりと行われない組織は、馴れ合いの組織である。けじめがなく、暗黙のうちに物事が決まる。このような組織は、一見、アットホームな、心地良い組織のように見えるかもしれないが、実際に働きやすいかというと決してそうではない。

 わたしは、新年度に入ったばかりの今の時期だからこそ、改めて組織やチームの風土を変えてみることをおすすめする。社風は、長い年月を経て培われてきたものである。それを変えるのは容易ではないが、新年度にチームみんなで集まり、組織として何を目指し、何をビジョンとするのかを話し合うことで、少しずつではあるが、変えていくことができる。

 組織やチームの目指すことを明確にし、そのために組織として今何が足りず、何をしていけばいいのかをみんなで考える。チームに属する全員がチームについて「4つの質問」を記入し、それを持ち寄り、話し合ってもよいかもしれない。

 その上で、チームとして1年後にどのようになっていたいのか、みんなで考え、共有し合う。1年後にどうなっていたいのかというビジョンがなければ、1年後は、現状維持か、もしくは今より悪くなっているだろう。

 これらの作業に全員が参加することで、組織への帰属意識も高まり、メンバーも頑張ろうという気になる。また、組織とともに個人の目標も明確にするとよい。リーダー、そしてメンバー1人1人が、改善したいことを自分自身で1つ選び、取り組むことを宣言する。

  • 朝出社したら必ず全員に大きな声であいさつをする
  • カラーコピーではなく、白黒コピーを使う
  • 週に1回机周りを整理する

 ささいなことでも構わない。このように宣言し合うことで、1年後の姿がまったく変わってくるはずである。

 新年度を迎えて1カ月、上司からホウレンソウを実践することで組織のホウレンソウの活性化を図るとともに、組織として、そして個人として1年後に目指す姿を明確にして、その目標に向かって、全員で邁進してほしいと願っている。


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著者プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。「ビジネスマンの悩み相談室」は電子書籍でも配信中。「自分は頑張っていると主張する部下に悩む上司」「ぬるい部下に悩む上司」「若い人には横から目線で共感する」(各250円)



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