ミシガン州を拠点とし、70年以上も医療サービスを提供しているBlue Cross Blue Shield of Michiganも、3年前にLombardiのBPMツールを導入し、ビジネスプロセスを改善し、競争力の向上に取り組み始めた。医療サービスは個別対応で体系化されていないプロセスが多いが、Lombardiのツールによって、プロセスを可視化し、計測可能にしてやることで改善を進めることができたという。
2日目のジェネラルセッションに登場したBlue Cross Blue Shield of Michiganのリチャード・ウォード博士は、「プロセスを可視化して無駄を省いただけでなく、医師と連携した適切なケア管理によって患者の健康維持を図ることができ、7500万ドルものコスト節約につながっている」と話した。
IBMは2008年7月にも、業務上のルールをプログラムから抜き出して集約し、独立したシステムとして管理できるビジネスルール管理システムのベンダーであるILOGを買収している。こちらもビジネスユーザーが簡単にルールを作ったり、変更できるのが大きな特徴だ。
製品の強化と並んでIBMが力を注いでいるのが、特定インダストリー向けのフレームワークだ。もちろん、単なる業界向けの業務パッケージを提供するわけではない。WebSphereをはじめとするIBMのミドルウェア群を活用し、顧客ニーズに応えられるようサービスを改善しながら効率性と経済性を追求できるようになっている。
第1弾としてImpactカンファレンスで発表されたのは、航空会社と鉄道会社向けの「IBM Travel and Transportation Framework」で、主な機能として「予約」「資産最適化」「運航/運行計画」などが提供される。機体/車両とパイロット/運転手などのリソースから最適なスケジュールを組む運航/運行計画の機能は、経済性へのインパクトが大きいはずだ。
同社は、航空会社や鉄道会社のミッションクリティカルなプロジェクトに携わるようになって50年以上の歴史がある。今回のフレームワークにも、Air Canada、Netherlands Railways、およびAtlas Airなどのプロジェクトで培ったスキルやノウハウが生かされているという。貨物航空会社であるAtlas Airでは、航空機の稼働率を高めることが重要な指標となるものの、稼働率を高めるあまり顧客のニーズに応じられなくなっては本末転倒だ。同社は、この相反する命題を両立するため、機材、パイロット、パートナー、そして顧客からのオーダーという、それぞれのプロセスを最適化するSOA基盤を構築し、大幅なコスト節約を実現したという。
世界160カ国でビジネスを展開しているTravelportが既にこのフレームワークを採用し、利用者の満足度を高めているという。世界最大の旅行関連複合企業である同社は、旅行業界の企業に対して広範囲なサービスを提供している。
なおIBMでは、旅行/運輸だけでなく、金融や通信といった主要な業界向けにもこのフレームワークの取り組みを進めている。
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