分かりやすいイノベーションコンセプトには、いくつかの要件があります。心理学上、そもそも人間の物事を認識するメンタルモデルという心の枠組みがあります。例えば一度に認識できるのは3、4項目までとか、細目に至っては7項目に+/−2項目まで、などです。イノベーションコンセプトを顧客別や製品サービス別などのいくつかのパターンに分ける際には、主項目で3、4、詳細で10までにとどめましょう。
またイノベーションコンセプトの発想や伝達に、ぜひ活用したいのが類推(アナロジー)です。表現したいコンセプトを、他業界や他の物事から適用して語ることです。優秀な新入社員をわが社のイチローだとか、金型通販のミスミはB2Bのアスクルモデルなど、端的な表現にあたります。
実際のビジネスでは、シーン別にコンセプト活用の仕方が異なります。ただし、どのシーンでもイノベーションコンセプトとは、「誰に」「何を」「どのように提供するか」を端的に示したものに他なりません。
次回からイノベーションコンセプト発想のプロセスや適用方法を見ていきます。
岩下 仁(いわした ひとし)
バリューアソシエイツインク代表。戦略と人からグローバル化を支援する経営コンサルティングファーム。主なサービスは、マーケティング戦略、事業戦略、市場参入など。スペイン、INSTITUTO DE EMPRESA経営大学院、International MBA。Factsに基づいたアプローチを軸に、マーケティング戦略や新規事業企画に強みを持つ、トリリンガルなビジネスコンサルタント。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授