日本では、Twitterを使って宣伝をしたいという企業の需要が強いですが、実際にたくさんの成功例があります。Twitterでは、フロントページにのせる広告以外にも、APIの利用料や現在テスト中の「Promoted Tweet」と言う検索連動型広告等で収益を得ています。
映画『告白』では、スタッフ自身が告白したり、森口先生が映画に出てこないシーンの告白をしたりして、プロモーションをしていきました。Nikonは、「カメラ」というイメージが強いですがそれ以外の科学や技術においても活動をしているPRとして、半導体・バイオ・宇宙開発を取り上げたサイエンスカフェというプロモーションを行い、Twitterで米村伝次郎さんなどが発言することで場を盛り上げました。ソーシャルメディア内で行った企業広告の例です。IKEA JapanはTwitterを顧客との双方向のつながりをつくるためのツールとして使っています。高橋酒造は、Cheers Systemという、TwitterユーザーのIDとパスワードを入力し、フォロワーを選んで乾杯、CMの中に自分がはいってツイートで広がるという仕掛けで話題を呼びました。
日本のマーケティング面で本社をリードしている感もあり、米国でも、「ツイナビ」などに興味を持っているようです。とはいえ、実は、TwitterのTwitterたる所以は、本社の保守的なまでの強固な方針。いまだに、「コンテンツに手を出さない」「鯨を出さない」「140文字死守」が第一ミッションであるところです。ワールドワイドの成長と莫大なベンチャーキャピタルからの投資は、この初志貫徹にあったのかもしれません。
そんな、Twitterの創業物語は、とても興味深いものです。ソーシャルメディアというと、誰と何を共有するかにより関係性の深さが違ってきて、その利用シーンも違ってくるものですが、実は、Twitterは、もともと関係性の深さを定義していないのです。Twitterは、社員がどこで何をやっているかを共有しようという社内ツールでした。
米国にありがちな人と人が顔を合わせない会社で、エンジニアがコーディングしているのはスターバックスだったり、休日はでワイナリーで有名なナパにいたり、だから、リアルタイム情報の共有の需要があったようです。それを深める使い方もあるし、ツールとして使う人もいて、利用シーンもさまざま。それらを紹介するものの、使い方に強制力はありません。繰り返しになりますが、これが、Twitter本社の確固たる方針なのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授