そして、Twitter愛好者が気にするTwitterのリアルタイム広告という未来のビジネスモデルを佐々木さんが明かしてくれました。
まず、Promoted Tweetsは、検索連動型の広告です。既に米国ではテスト企業を10社から50社に増やしながらテスト販売をしています。通常の検索連動型広告で、例えば、コーヒーという単語で検索すると、スターバックスがトップにくるというものですが、その特徴は内容を変えられることにあります。プロモート枠は1個で数1000回以上のRTがあるものもあるそうです。ターゲッティングや効果測定等、今後さらに進化してゆくそうです。
「Promoted trends」は、右下のトレンド「Worldwide」に通常10個の情報が表示されているところで、11番目に出る広告商品です。あえて一番下の11個目であるというのが、あくまでもユーザー視点ですね。
「@earlybird」は、Twitterとしての公式アカウントである@earlybirdがタイムセール情報をツイートするものです。リアルタイムプラットフォームならではの広告です。
@Anywhereは、どのサイトでもTwitterが使えるというAPIです。これ自体は広告ではありませんが、広告の未来を思わせます。Twitterが他でも使えるということは、Twitter本体のPVが減ることを意味しますが、Twitterはあくまでそのユーザー数を増やすことに専念してきました。それが、2005年から収益なくしてもベンチャーキャピタルの投資を集めた理由です。将来のビジネスモデルが楽しみです。
@Anywhereの思想を元にもっと簡易的に使用できるツールがTweet Buttonで、投稿が他サイトでできるツールです。別ウィンドウが立ち上がり、そこでツイートができる。このツールは無料で利用できます。
Business CenterはTwitterが提供する企業向けサービスで、公式企業アカウントの認証や、複数人でひとつのアカウントの運用ができるなど企業向けに現在テスト運用をしています。ツイートした人の署名が入るというセキュリティー対策も施されています。日本においてはtwinaviでの企業アカウント登録と連携しながら展開を予定しています。
アノテーションは、512バイトのデータ情報をTweetに入れられるプロジェクトです。これは、APIが公開される予定で、データベースを持っている企業には使い勝手がよさそうです。位置情報をとりまとめたりして、ユーザーが公開するものに付加情報をつけることができます。現在、開発はペンディング中。
Twitterって何で儲けるんだろう? そんな疑問を持っていた方々は多いはずです。こうしてみると、意外とシンプルな広告モデルが成り立つのだと感心します。ひたすらユーザー数を伸ばすということに専念してきて、リアルタイムソーシャルメディアを作り上げたTwitterの未来は明るそうです。
石黒不二代(いしぐろ ふじよ)
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長 兼 CEO
ブラザー工業、外資系企業を経て、スタンフォード大学にてMBA取得。シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立、日米間の技術移転などに従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、大企業を中心に、事業の本質的な課題を解決するためWebを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。日経情報ストラテジー連載コラム「石黒不二代のCIOは眠れない」など著書や寄稿多数。経済産業省 IT経営戦略会議委員に就任。
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【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授