組織外の情報こそ必要なのに内部情報にこだわる経営者生き残れない経営(3/4 ページ)

» 2010年09月29日 08時55分 公開
[増岡直二郎,ITmedia]

 内部情報をしきりに欲しがる経営者は、その手法を週報だけに求めない。いろいろな方法でアプローチしてくる。端的な例が、会議だ。会議が必然的に多くなる。

 A社では、昔から「月例」と通称される社長への報告会が開催される。月1回事業部長が一堂に会し、事業部のトピックスを社長に報告する。確かに規模が大きい企業なので、社長に対する報告以外に、事業部間の情報交換の場にもなる。しかし、そこで話題になるくらいのテーマは、既に事業部の担当者間で話は進んでいる。しかも問題のあるトピックスこそ話題にすべきだが、例によって「耳触りの良い」「無難な」テーマだ。「月例」では4時間かけて一方的な報告が淡々とされるだけ。恐ろしく無駄な会議が、毎月続く。

 中堅企業B社で取締役総務部長があるとき、管理者から社長へ週報を提出させたいという社長意向を役員に打診した。役員がこぞって、「わずか500人そこそこの企業でそんなことは必要ない」と反対した。そこで社長発案として生まれたのが、関東地区の営業部長や支店長が営業トピックスを社長に毎週報告する会議だ。毎週報告するほどの大した話題もない中規模の企業、「無難な」話題探しに報告者の苦労が続く。

 どうしてこうまでして、トップは内部情報を欲しがるのか。全社を把握したいという間違った使命感なのか、部下を信用できないのか、あるいは疎外感から逃れたいのか。

そんなことにこだわるより、外部情報に執着すべきなのだが。

 ドラッカーの指摘するような外部情報を、経営者が把握するにはどうすべきか。

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