残された時間を価値あるものにビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/3 ページ)

» 2010年09月30日 10時06分 公開
[永田豊志,ITmedia]

「忙しいのに儲からない」激しい価格競争

 仕事が忙しくなっているにもかかわらず、会社の利益が出ない、給与が上がらないというケースが増えています。例えば、インターネットの黎明期には数千万円したWebサイト制作費。サイトを構築するソフトウェアやサービスが普及し、誰でも作れるようになると、サイト制作費は瞬く間に安くなりました。現在は、数万円でサイトを制作するサービスもあります。これは、まさに「スキル価値」の超デフレです。

 しかしスキル価値が急低下する一方で、顧客の要望は高くなっていきます。提供しなければならない機能も増え、サポートにも手間がかかります。つまり、年々、忙しくなるのに、利益は減っているという現象に陥るのです。

業務効率化では乗り切れない、ビジネス価値の切り替えが必須

 これは景気のせいばかりではないのです。世の中が総フラットにつながり、あらゆる情報サービスが無料で提供される世の中において、商売の地図が大きく変わってしまったからです。昨年まで元気だった産業や稼げた職業が、突然死する可能性が高い世界になっています。こうした状況では、業務の効率化は根本的な解決になりません。もちろん、やらないよりはマシですが、延命措置程度の効果しかありません。

 真っ先にやらなければならないのは、「顧客が求めている本当の価値とは何か?」を再検討することです。「競合が増え、低価格競争になった時」「自動化が当たり前になって、人による作業が競争力を失った時」こそ、新しい価値を創造する必要があります。つまり、このケースも「時間管理の問題」と見せかけて、実は「価値管理の問題」なのです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆