ネガティブな思考をする部下に悩む上司ビジネスマンの悩み相談室(1/3 ページ)

暑い夏がようやく終わり、やっと秋を迎えた。秋は人事異動の季節でもあり、新しいチームでスタートをするという人もいるだろうか。

» 2010年09月30日 16時39分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ),ITmedia]

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 何につけて、覇気がなく、何につけてネガティブなことを言う部下がまわりにいないだろうか。なぜ彼らはそのような行動を取るのだろうか。脳の使い方に問題があるとわたしは考えている。今回はそのことについてお話ししたい。

事例

 ある部品メーカーのL課長は部下のF君のことで頭を悩ましていた。何か意見を求めると「できません」「無理です」と口にし、何かを提案する同僚がいると「そんなこと無理だよ」というのである。

 L課長はある案件でF君に話をした。

 「F君、先日伺った○○社だけれど、行ったときには特に頼む案件はないと言われたけれど、何かあったらと言ってくれたよね。もう1度当たってみるのはどうだろう?」

 「いや、あの担当者はいつも社交辞令でそういうことを言うので、もう1度行っても同じことを言われるだけですよ」

 ある会議では、商品に関する知識を高めるために勉強会を立ち上げようと提案するMさんに対して、F君は次のように発言した。

 Mさん「わたしたちが扱っている○○商品は他社も類似品を出すようになり、どのように差別化をしたらいいか研究をしないといけないと思うので、勉強会をするのはどうでしょうか」

 F君「勉強は個人でやったらいいではないですか。やる必要はありませんよ」

 L課長は、実はF君を買っている部分もあった。「無理です」といつも発言するものの、仕事を任せてやらせてみると、うまく仕上げてくれることもあるからである。

 しかし、F君の発言や言動が周りに悪影響を及ぼしているとL部長は考えており、どうにか打開できないかと考えていた。


脳の取り扱い方が悪い

 なぜこのようなネガティブなことを言うのだろうか。それは、その人の脳の取り扱い方が悪いからである。

 人間の脳は非常に優秀で、とても創造性がある。自分が思い描いた通りになるのだ。何かを目指せば、それに向かって追跡ミサイルのように進んでいく。記憶という面ではコンピュータが断然に優れているかもしれないが、雑多なことを考えながらそれらを組み合わせて、新しいものを生み出していく力は、人間の脳のほうがはるかに優れている。

 いつもネガティブなことを発言している人たちは、脳をうまく使っていないのである。人間は1日に6万回も考えごとをしているそうで、そのうち95%は同じ事柄だという。また、そのうちの80%はネガティブなことだそうだ。ネガティブなことを毎日のように考えていると、すべてが悪い方向に向かう思考に自然となってしまう。雰囲気や顔の表情が悪くなり、人相も悪くなってくる。

 脳の取り扱い方法が悪いので「なんでわたしが……」というなんで病や、なんでも人のせいにする「せいだ病」に陥るのである。

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