企業の教育研修プログラムは以下の6つの重要な鉄則に従わなければなりません。
【鉄則1】目的に対して、成果を明確にする
教育研修プログラムはたくさんの人間がかかわり、重要な情報を与え、よい評判を得られるものですが、企業の業績を向上させるような成果を得られなければ意味がありません。教育研修プログラムを計画する時は、企業が求める業績をまずはじめに考え、それからその業績を達成するために必要な従業員教育に取り組む必要があります。次の質問を問いかけ、教育研修プログラムの効果を推測してください。
本書にある通り、多くの企業はその効果測定に対して分析力が弱いという側面を持っています。特に、社員教育というものはなかなか数値化しづらい部分もありますので、研修実施後の経過など、社員研修が効果を出しているのかどうか分析していく必要があります。なぜなら、その研修プログラム自体を、研修の持つ目標に対して、的確な内容にブラッシュアップし、社内教育システムとして機能させていくためです。
教育研修プログラムは企業に貢献できなければなりません。つまり教育研修プログラムを行うことで、大幅なコスト削減、あるいは売り上げや利益の増加がかなえられなければなりません。しかし、明確な投資収益率(ROI)の測定基準をすべての研修プログラムのために作る事は不可能です。その代わり、すべてのプログラムに対し「組織の業務に関連性のある明確な結果」の測定基準を作ってください。その際、以下のような過ちを犯しがちです。
そうすると教育研修プログラムを使って、企業に貢献する事が出来ません。重要なのは、実践と分析、そして検証を行うことです。
プログラムのコースの数や教える人数より、企業の業績を上げるという目標を達成することのほうがはるかに重要です。
教育の目的(例えば全体的な質の向上)は、称賛に値するものかもしれませんが、研修プログラムは成果に焦点を当てていなければなりません。
真の企業目的を達成するには、経営者も教育に貢献しなければなりません。
測定できない教育研修は、それ自体に問題があります。内容を含め、全体を見直す必要があります。
企業に利益をもたらすプログラムを作るために分析をし、成果に焦点を当てた直接的な業務への貢献基準が必要です。そのために意識すべきことは2つあります。1つはすべてのプログラムに対し、組織の業務に関連性のある明確な結果の測定基準を作っていくということ、そして2つめは、何よりも経営者自身が教育研修制度について、真剣に考え取り組むことです。
最適な教育の狙いを、社内で常に研究してください。各ビジネスユニットの計画など、内部で必要な情報を得てみてください。現場で管理者や従業員に話しかけることが大切です。また、すべての分野を教育する事は不可能なため、見返りが最も大きい分野に狙いを定めてください。教育を行うことで解決したいと思っている問題にプラスの影響を与えられることを確認してください。研修プログラムによって達成しようとしている企業目的を明確にし、成功の測定方法について管理者と合意する事が大切です。
著者は社内の研修プログラムを生成する場合、企業の幅広い分野に対してではなく、成果を上げるための領域にピンポイントで教育を行うことをアドバイスしています。逆にそれ以外の部分は外注にかけるという考え方もあります。あらゆる領域の研修を定額で行っている研修会社などもありますので、そういったサービスを活用するのも手ではないでしょうか。(参考:トーマツイノベーションクラブ)
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授