【鉄則2】完全な学習体験を設計する
「学習体験」は教室内よりも多くのことを学ぶことができます。そして、本当に重要なのは、学んだ知識を実際に活用する「学習移行」です。この目的を達成するために、企業の研修プログラムは次の3段階に分ける必要があります。
1.事前教育
経営者は、極めて重要である期待度を確立する上で、核となる役割を果たします。期待度の低い参加者は、研修プログラムからほとんど成果を得ることはできないでしょう。その一方で、期待度の高い参加者は、多くの恩恵を授かることができます。早い段階で経営者をプログラムに関与させることが大切です。なぜなら、経営者が研修プログラムに関心を示すことで、従業員のプログラムの受け取り方に大きな影響が出るからです。
参加者が、これから受ける教育は彼らにとって特権であると見なせるようにしなければなりません。事前の読み物や、そのほかの学習活動を用意する事で、適切にプログラムの準備を整えてください。
2.教育
実際に教えるためには、コース設計者による綿密なプランニングが必要です。「条件アプローチ」を使い、明確な経済的目標を定め、プログラムの内容を作ってください。はじめに企業目的を明確にし、そこからさかのぼって内容を決めてください。例えば、売り上げを増加させたい場合、営業部長をコーチに任命するといいでしょう。そうすることで、参加者はプロとして実績を上げているコーチがどのように業務を進めるのか学べますし、学んだ技術を練習する時に役立つガイダンスを得ることもできます。
3.知識の移行と応用
この段階では研修プログラムの存在理由が問われます。学んだことを移行するには、積極的なサポートが必要です。教育の監督者は、経営者に、従業員が新しいスキルを適用するよう手引きし、教育の有効性を事前に決めておいた判定基準を使って判定するよう促す必要があります。教育プログラムの有効性を試験するには、学習者に代わってコンテンツ開発者が「教材と自分の業務との関連性は明確か?」や「教えられたことを実践に役立てる方法は分かっているか?」などといった質問を問いかけてください。
研修プログラムは、学習の必要性を意識させること、目標に応じた教育であること、そして最も重要な、得た知識を活用する力の定着確認をするという3つの段階で構成されなければなりません。これは非常に価値ある部分ではないでしょうか。
この本の詳細
カルフーン・ウィックは、コンサルタント会社であるフォート・ヒル社のCEOを、ロイ・ポロックは教育手法最高責任者を、アンドリュー・ジェファーソンは社長およびCOOを、リチャード・フラナガンは上級副社長を務めています。
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授