新しい発想が生まれないと嘆いている、あなたに原因はないだろうか。チャレンジすることが楽しいと思える職場づくりを。
細川社長の人気連載「問われるコーチング力」も併せてチェック!
少しずつだが、春めいてきただろうか。
日本経済がなかなか回復せず、閉そく感が漂っているといわれる。新しいことにチャレンジすることをためらう人がいるが、こういう時代だからこそ、壮大なロマンや奇想天外な考え方をする必要があるのではないかと思う。今回はそのことについて触れたい。
<事例>
あるOA機器販売会社のG課長は、部下の提案に対して何かにつけて文句をいう傾向がある。あるとき、部下のQさんが相談にきた。
「先日わたしが懇意にしている○○会社の人が取引先に不満を持っていると聞きました。我々が入り込むいいチャンスだと思うので、提案しに行こうと思いますが、どう思いますか?」
「いや、あの会社は保守的だから、我々の入る余地はないだろう。やめたほうがいい」
「でも、絶好の機会だと思うのです」
「うまくいかなくてこじれたら、大変なことになる。やめておこう」
「でも……」
別の日、部下のZ君が相談にきた。
「○○の商品がはやりそうだという話を、ある勉強会で聞きました。弊社でも検討してみる価値はあると思うのですが、どうですか?」
「本当にそれははやるのか。今は景気が良くないし、あまり新しいことをやる時期でもないだろう。見合わせたほうがいい」
「でも……」
QさんもZ君も落胆して、席に戻っていった。
日本の経済が停滞する中で、リスクを取りたくない、新しいことにチャレンジしたくないという人が多いと聞く。わたしは多くの管理職の方々に接する機会があるが、彼らを見ると、「きちんとやる」ということにはとても長けているのだが、何かに挑戦しようという気持ちが足りない傾向がある。何かをやって失敗したらいやだ、責任を取りたくないということもあるのだろうと思う。自分の職務については真面目に頑張っているのだが、突き抜けるような発想ができない人が多い。良い係長、良い課長、良い部長でいようとするのだが、実際には係長、課長、部長に求められていることはそれぞれ異なるはずである。それに気づかずにまずは「きちんとやる」ということに注力してしまう。
自分を振り返って、次のような言動をしていないだろうか。
当てはまると思う節があるだろうか。
「〜すべきだ」「昔はこうだった」ということを発言した時点で、思考はそこで停止し、前に進むことができない。そして「僕には理解できない」「そういうやり方はみんなが反対している」という発言は、相手に対してまったく理解を示さず「だめだ」と烙印を押すことになる。また、言葉だけではなく、相手を決めつける顔つきや雰囲気を出すことで、部下のやる気をまったくそいでしまっているのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授