「ダメ出し」ばかりする上司ビジネスマンの悩み相談室(3/3 ページ)

» 2011年02月21日 08時08分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ),ITmedia]
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ホワイトボードを活用する

 最後に、閉そく感の漂う社内を変える場合に、有効な方法についてお話ししたい。

 最近社内でアイデアを話し合ったりしているだろうか。部署の人たちがどんな思いで仕事に取り組んでいるのか、どんなお客さんと接しているのか、どんな職場にしたいと考えているのか。それらについて改めて話し合ってほしい。

 推奨するのは、ホワイトボードを活用すること。時間だけ決めて集まり、みんなで自由に話し合う。そして、話したことやアイデアをホワイトボードに書き出していく。

 ポイントは事前に準備せず、その場で議題を知らせて話すということである。事前に議題を知らせたり、紙に書いてもらうと、いろいろと考えてしまい、従来の考えなどに縛られてしまう。そうではなく、その場で思いついたことを勝手に発言するのである。

 ホワイトボードに書き出し、可視化することで、それぞれの思いが分かるとともに、部門としてどんな課題があるのか、取り組むべきことは何なのか、何を最優先でやるべきかが見えてくるはずである。また、思いもかけないアイデアが生まれたりもする。最近は書いたものをそのままプリントアウトするホワイトボードもあるので、それがある職場ではぜひ活用してほしい。

 話が少しそれるが、先日サッカーのAFCアジアカップでザッケローニ監督率いる日本代表チームが、優勝を果たした。これまでは、相手に先に点を入れられるとなかなか逆転できなかったが、今回のチームは違った。準決勝では、途中で1人退場になり、とても厳しい状況になったが、それをはねのけ、勝利を手にした。失敗を恐れずに立ち向かっていったことで、一皮むけ、強いチームに育っていった。

 閉そく感のある時代だからこそ、だめだと決めつけずに、奇想天外な発想、壮大なロマンを持って取り組んでほしい。そして成果の残せる組織になると信じている。


著者プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。「ビジネスマンの悩み相談室」は電子書籍でも配信中。「自分は頑張っていると主張する部下に悩む上司」「ぬるい部下に悩む上司」「若い人には横から目線で共感する」(各250円)



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