最後に、閉そく感の漂う社内を変える場合に、有効な方法についてお話ししたい。
最近社内でアイデアを話し合ったりしているだろうか。部署の人たちがどんな思いで仕事に取り組んでいるのか、どんなお客さんと接しているのか、どんな職場にしたいと考えているのか。それらについて改めて話し合ってほしい。
推奨するのは、ホワイトボードを活用すること。時間だけ決めて集まり、みんなで自由に話し合う。そして、話したことやアイデアをホワイトボードに書き出していく。
ポイントは事前に準備せず、その場で議題を知らせて話すということである。事前に議題を知らせたり、紙に書いてもらうと、いろいろと考えてしまい、従来の考えなどに縛られてしまう。そうではなく、その場で思いついたことを勝手に発言するのである。
ホワイトボードに書き出し、可視化することで、それぞれの思いが分かるとともに、部門としてどんな課題があるのか、取り組むべきことは何なのか、何を最優先でやるべきかが見えてくるはずである。また、思いもかけないアイデアが生まれたりもする。最近は書いたものをそのままプリントアウトするホワイトボードもあるので、それがある職場ではぜひ活用してほしい。
話が少しそれるが、先日サッカーのAFCアジアカップでザッケローニ監督率いる日本代表チームが、優勝を果たした。これまでは、相手に先に点を入れられるとなかなか逆転できなかったが、今回のチームは違った。準決勝では、途中で1人退場になり、とても厳しい状況になったが、それをはねのけ、勝利を手にした。失敗を恐れずに立ち向かっていったことで、一皮むけ、強いチームに育っていった。
閉そく感のある時代だからこそ、だめだと決めつけずに、奇想天外な発想、壮大なロマンを持って取り組んでほしい。そして成果の残せる組織になると信じている。
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。「ビジネスマンの悩み相談室」は電子書籍でも配信中。「自分は頑張っていると主張する部下に悩む上司」「ぬるい部下に悩む上司」「若い人には横から目線で共感する」(各250円)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授