iPadで躍動する職場

ウイスキーとiPadの組み合わせ アサヒビールのブランディング戦略iPadが生み出すマーケティング新戦略(1/2 ページ)

ハイボールブームなどを受けて、アサヒビールは「ニッカウヰスキー」のブランド認知向上のためのアプリマーケティングを展開した。iPadに注目した理由とは?

» 2011年05月17日 08時00分 公開
[野崎耕司(ビルコム),ITmedia]

 後編では、まず当社が今年1月に実施したタブレット端末の利用者実態調査から、iPadによるマーケティング活用の有用性をひも解いていく。

図1 図1

 この調査は、2011年1月7日(金)〜2011年1月8日(土)にiPadをはじめとするタブレット端末を所有する成人約500人を対象に、タブレット端末上のアプリを活用したマーケティングがユーザーにもたらす効果を知る目的で実施した。

 調査によると、タブレット端末上でアプリを活用したマーケティングを実施する企業に「好感を抱く」と答えたユーザーは全体の78.1%に上った(図1)。また「アプリを活用したマーケティングを実施する企業を今後も注目したいか」との質問には84.1%のユーザーが「注目したい」と回答した(図2)

 「企業が提供する面白いアプリや面白いアプリ内広告を友人に伝えたいか」という質問に対しては、76.3%のユーザーが「伝えたい」と回答した(図3)

図2 図2

 アプリを活用したマーケティングを実施する企業に抱くイメージは、「先進的だ」(59.8%)、「時流にのっている」(44.3%)、「遊び心がある」(39.6%)、「クリエイティブだ」(39.2%)、「技術がある」(31.5%)、「グローバルだ」(27.0%)という回答結果となった(図4)

 これらの結果から導き出せるのは、iPadをはじめとしたタブレット端末上のアプリを介したマーケティング活動は、顧客心理に一定のプラス効果をもたらすということである。アプリを介したマーケティングに関して「好感を抱く」「今後も注目したい」というユーザーが大半を占めるということは、顧客のロイヤリティを高めることにも結び付いている。

図3 図3

 また調査から分かるように、タブレット端末に顧客との新しいコミュニケーションを積極的に取り入れることで「先進性」のある企業というイメージをもたらしたり、新しい表現を作り出すことで「クリエイティブ」や「遊び心がある」という印象を与えたりすることができる。これはタブレット端末に限らず、デジタルメディア自体が企業イメージを形成する重要なポイントになっていることの表れといえよう。

図4 アプリを活用したマーケティングを実施する企業に抱くイメージ 図4 アプリを活用したマーケティングを実施する企業に抱くイメージ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆