「思考の枠」とは何だろうか。それは、思い込みや固定観念、レッテルのことである。緊急時は、これまでの前例にとらわれず、今何ができるかを考えなければならない。
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前回は、「未曽有の危機に直面したリーダーに求められること」として、危機が発生した際にリーダーがどのようにコミュニケーションをすべきかについて説明した。今回は、「思考の枠」ということに焦点を当てて話したい。
以前のコラムでお話ししたことがあるが、危機の際には「思考の枠」を広げることがとてもとても大切であり、改めて説明したい。
「思考の枠」とは何だろうか。それは、思い込みや固定観念、レッテルのことである。例えば次のように考えることである。
思い込み:これまでにこの方法で成功してきたんだから、これからも大丈夫!!
固定観念:うちのビジネスは○○企業の命だ!
レッテル:君は○○な人間だ!
・「思考の枠」が固く、厚い人の特徴は次のとおりである。
(1)自分が絶対に正しいと思っている人
(2)自分以外が問題だと思っている人
(3)行動変革をしない人
・反対に、「思考の枠」が柔らかく、拡大する人は次のとおりである。
(1)自己否定できる人
(2)人の意見をいったん素直に受け入れる人
(3)フィードバックの大事さを常に考える人
(1)人の成長を妨げる
(2)勝手に解釈して、行動する。
人間は、本質的に、自分の都合の良いように考え、見たいように見る傾向がある。風評やうわさなどを聞いて、「あの人はこういう人である」「これはこういう意味である」と自分で勝手に考える。
職場で、○○さんに対して「ルーズだ」、「仕事が遅い」と思ったら、そう見えてしまうし、「まじめな人間だ」と思ったら、そのように見えてしまう。人間は「思考の枠」にはめられたら、すさまじく窮屈に感じる。
「君はこういう人間だ」「君は酒癖が悪い」「君は仕事が遅い人間だ」上司にこのように思われると、部下はとてもつらい。仕事ができなくなるか、転職するか、精神的に病んでしまう。
「思考の枠」は人の成長を妨げるのである。
「思考の枠」を広げることができると、「今の方法が最適なのか」「他の方法はないのか」と考えることができるため、自身や組織の問題点や解決策を模索できるようになり、人や組織の成長の可能性を広げることができるのである。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授