ファシリテーター型リーダーの「巻き込み力」〜その3エグゼクティブのための人財育成塾(2/3 ページ)

» 2011年08月03日 07時00分 公開
[井上浩二(シンスター),ITmedia]

オーナーと取り組みの目的・ゴールを明確にする

まず明確にしなければならないのは、この取り組みの最終責任をとるオーナーである。今回のケースで言えば、高杉社長なのか、それとも高橋部長なのか。何かに取り組む際には、必ず重要な局面での意思決定が必要となる。その最終意思決定を行うのは、言うまでもなくオーナーである。

 今回の取り組みでは、ともすると社長と部長の間でお互いにオーナーは相手だと思っているリスクがある。そうすると、何か意思決定が必要になった際にどちらも責任を取らず取り組みが暗礁に乗り上げる可能性がある。必要な予算や投資を含め、まずは最終的な意思決定者であるオーナーを明確にしておく必要がある。

 そして、これが更に重要な事だが、オーナーと取り組みの目的、ゴールを明確にしておく必要がある。競合を含めた業界の電子書籍ビジネスに関する動向を調査し、今後の市場機会を見極めた上で自社の取り組みの方向性を決めるまでがゴールなのか、それとも具体的にビジネスを始めるまでがゴールなのか、実ビジネスで収益を出すことまで求められているのか。

 ここでボタンを掛け違えていると、取り組み始めてから「そこまでの責任をとることになるとは思っていなかった」ということになりかねない。オーナーとできる限り具体的に取り組みの目的・ゴールを明確にする必要がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆