今回のPARTNERSでは、エントリーレベルのデータウェアハウス構築に適したTeradata Data Warehouse Applianceの第5世代製品、「2690」がオープニングセッションでも発表されたほか、複数のTeradataシステムをシームレスに束ねて管理できるツール群が「Teradata Analytical Ecosystem」として仕立て直され、新しいツールも追加されている。
特に後者のTeradata Analytical Ecosystemは、Teradataらしい包括的なソリューションとして注目すべきだろう。
「エコシステム」という一風変わった名称を与えられた一連のソリューションは、複数のTeradataシステムをシームレスに束ね、全体としてひとつのデータウェアハウスとして扱えるようにするものだ。データの種類や用途に応じてアプライアンスを導入し、コストの最適化を図りながらも単一のシステムとして扱えるため、管理の負荷が増えてしまうようなことは避けられる。
Teradata Analytical Ecosystemの新しいツールとして、昨年5月に買収したxkotoのツールが「Teradata Unity」として今回発表されている。これはクエリの自動ルーティングとデータベースの同期を行うもので、既に構築された核となるデータウェハウスにTeradata Data Warehouse Applianceを追加し、いざという時にもユーザーが気づくことなくフェールオーバーできる高い可用性を実現できるという。
Teradataが競合製品と比較して際立つのは高いレベルの「自動化」だ。データウェアハウスの性能を出すためにあまり手間を掛ける必要もないし、運用管理も自動化を志向している。企業がより迅速にデータから高い価値を引き出せるようにするのが狙いだ。その高い管理性を複数のTeradataシステムへと拡大するソリューションとして、Teradata Analytical Ecosystemは今後も機能強化が図られるという。
なお、同社は9月22日、PARTNERSに先立って、「Teradata Database 14」を発表している。部門ごとにCPUやI/Oなどのシステムリソースを優先順位付けして割り振る「Virtual Partitions」やデータを使用頻度に応じて自動的に圧縮・解凍してくれる「Virtual Storage」などの新機能が追加されるほか、新しい「Teradata Columnar」オプションを利用することで、カラム型データベースの恩恵をTeradataでも享受できるようになる。Teradataでは、カラム型の特性を生かすことで、例えば、通信事業者ではコールセンターへの問い合わせに対して、通話詳細記録から必要なカラムだけを読み出せば済み、劇的にレスポンスを高めることができるという。
製品開発を担当するTeradata Labs部門のスコット・ノウ社長は、「Columnarは、行とカラムをピンポイントで読み出すことでボトルネックを解消してくれ、よりスマートな分析が可能となる」と話す。
Teradata Database 14は現在β版が入手可能で正式版は12月にリリースが予定されている。
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