またここではそうしたオンラインで学ぶことについて学習効率が上がると明記しています。その理由が以下の9つの法則ということでしょう。
学習効率を上げる! 「学びの爆発9つのルール」
1、継続的変化の法則
カーチス・モーリー教授がある一流大学の大学院の授業の中でEメールについて触れると、ある生徒が「Eメールはお年寄りが使うものです! 」と声を上げたそうです。その少々不作法な生徒は、生徒のほとんどは、教授が評価を伝えるためにEメールを使っているからという理由だけでEメールを使っているのだと説明しました。興味を持ったモーリー教授は、そこで、教室にいる生徒に日常的にEメールを使っている生徒はどのくらいいるのか尋ねました。いつもEメールを使っていると手を挙げたのは25%に満たない数でした。そこで、教授は、「では、どうやって友達と連絡を取っているのですか? 」と尋ねました。
それに対し生徒は「テキスト・メッセージやTwitter、Facebookを使っています」と答えました。彼らにとってEメールは遅すぎるのです。さらにモーリー教授は、ツイッターでは140文字しか使えないが、どのように正確に意志疎通を図っているのかと尋ねました。それに対しある生徒が「140文字もあれば、言いたいことは伝えられます」と答えました。また、他の生徒が「写真などのサイズの大きいものを見せたりするにはFacebookを使います。長い文章を書く必要があれば、ブログに書きます。私は友達全員のブログのRSSフィードを持っています」と付け足しました。
Eメールは比較的新しいテクノロジーであるにもかかわらず、若者はすでに時代遅れでスピードの遅いものとして低く評価しているのです。これは特に、携帯電話で接続出来るソーシャルネットワーク内で使えるテキスト・メッセージと比べると、Eメールは時代遅れで遅いと感じられます。このような若者はすぐにあなたの組織に入社してきます。あなたは、彼らのトレーニングや教育のニーズを満たすことが出来ますか? そして、彼らの期待に応えることができますか? 仮想教室を開くことは、時流に着いて行き、新しい世代の従業員に後れを取らない為の最善策なのです。
E-メールはもう古い……これは衝撃的な事です。確かに、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアも文字や画像を使っての電子コミュニケーションツールには違いありませんが、送受信のスピードや情報伝達量が全く異なります。つまり、仮想教室を開くにはそうした受け手側の変化に対応していかねばならないということです。
2、知識転移の法則
仮想教室には、新しい教育手法が必要とされます。授業の長さを短く保つには、従来の授業と同じ量の内容を提供することはできません。よって、講師主導の教育(ILT)の内容を集約しなければなりません。あるいは、現実での授業で提供する内容と同じ量を提供するのであれば、ある一定量の内容ごとに複数回の授業に分ける必要があります――この手法を「チャンキング」と言います。20分で授業を終える講師もいますが、理想的な時間は90分から2時間です。
オンラインの生徒は集中力を途切れさせやすいため、相互作用をもたらす要素を数多く織り込む必要があります。10段階からなる「シンプルなオンライン学習の教育設計(SOLIDプロセス)」を活用し、オンライン学習手法を設計、実行して下さい。
まず、仮想教室の生徒に何を学んで欲しいのか明確にして下さい。第2に、動画やスライドなど、ILTコースに使う教材をリストアップして下さい。第3に、内容を集約するのか、チャンキングするのか決めて下さい。第4に、チャット、世論調査、ホワイトボード、分科会機能、評価、顔文字、スクリーン・シェアリングなど、使用するオンラインツールをリストアップして下さい。第5に、自分の教育策と授業内容に基づいてカリキュラムを考えて下さい。第6に、そのカリキュラムを仮想授業に当てはめて下さい。
第7に、授業の内容についての専門家に依頼し、カリキュラムをチェックしてもらって下さい。第8に、そのカリキュラムを生徒で試して下さい。第9に、生徒からのフィードバックを参考に修正を加えて下さい。そして、最後に、実験を行いフィードバックをもらうという作業を、教室の立ち上げの準備が整うまで何度も繰り返して下さい。
仮想教室は、配信が要です。授業を始める前に、機材が正しく機能し、ネットワークがきちんと接続されていることを確認して下さい。バックアップ用のコンピューターを用意し、予備のネットワーク接続をスタンバイさせておいて下さい。
授業が始まる数分前には、発声練習をしましょう。また、ホテルのネットワーク接続は質が悪いことが多いため、ホテルから仮想教室を配信するのは避けて下さい。授業の前にはドアの前に「入室禁止」と書いた紙を貼り、同僚などに邪魔されないようにしましょう。また、携帯電話の電源を切り、Eメールなどの使わないコンピューター・プログラムは閉じましょう。授業中生徒の顔を見ることはできません。よって、言葉で彼らを引き付けなければなりません。相互作用を活発にして下さい。
視覚効果は沢山使えば使うほど、仮想教室は良いものになります。仮想教室で大切なことの2つめが受講生を飽きさせないということに繋がります。授業の長さやどのようなツールを使って配信するか? また配信中に不具合は生じないかといった配慮が必要になります。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授