3、学習回路の法則
ソリッドステート技術は、優良電気回路に頼っています。学習回路は複数のビジネスユニットの繋がりによって形成されており、ビジネスユニットは適切な首脳部の元、一致団結して仮想学習プログラムをサポートします。よって必要なのは小さな首脳部であり、そのメンバーはあなたの構想をきちんと実現させるスキルを持っている必要があります。
そのメンバーには、ビジネス・リーダー、教育設計者、講師、そして現場管理者(学習プログラムが社内用の場合)、またはマーケター(プログラムが外部用の場合)が挙げられます。教育パッケージはできる限り完ぺきになるよう努めて下さい。大きな志を持って考え、小さいものから始めて下さい。また、影響力の大きい管理者を「擁護者」として引き入れることも大切です。プログラムが始まったら、結果を測定し、評判を広めて下さい。
仮想教室はさまざまなパーツによって組み立てられています。それぞれが最大の効果を発揮できるように細かな配慮とメンテナンスが必要ということです。
4、偏見を乗り越える法則
上級管理者や監督者の多くが、オンライン学習を嫌う傾向にあります。彼らの持つ偏見は障壁になる恐れがあります。次に記す手段を講じることで、それぞれの反対者に対処して下さい。
オンライン学習の懸念点を克服する手段とは?
・縄張り保護者:このタイプの人達は、自分達の権力や影響力を奪いかねないものから自分達の業務を守りたいと思っており、従来の教育手法を超えるものは無いと主張します。仮想教室が効果的である理由を、彼らが納得できるように説明して下さい。
・習慣の奴隷:このタイプの人達は、新しいものは何でも疑う性質を持っており、昔からの習慣に固執します。生徒に仮想教室か現実の教室かを選ばせた場合、ほとんどの生徒が仮想教室を選び有益に活用することを説明して下さい。
・不安に陥る人:仮想教室がどのように機能するか知らなかったり、あるいは新しい技術に慎重な態度を取ったりする人であれば、仮想教室について不安な気持ちを持つでしょう。このような人達が正確に仮想教室を評価できるよう手助けして下さい。
・無知蒙昧な人:このタイプの人達は、ただ単に仮想教室の価値を理解することができません。もし上司がオンライン学習のメリットを理解できなければ、その上司より更に上の階級の人にかけ合って下さい。
・偏見を持った学習者:このタイプの人達にはさまざまな仮想学習の機会を提供して下さい。生徒の不安を和らげるには、複雑な技術用語の使用は避けて下さい。経営陣からの賛同の言葉を公表して下さい。
オンラインによる仮想教室が便利で効率的なものであるとしても、まだそれに対する偏見が多いことも事実です。それらに反発をするのでなくいかにそれを乗り越える努力をするかも成功の鍵といえるでしょう。
5、仮想教室での責任の法則
従来の教室では、一般的な規範を破った生徒はその分報いを受けます。例えば、授業中の居眠りや、他の生徒の邪魔をした場合、罰を受けます。次に記す3つの形で、仮想教室での責任を果たさせて下さい。
仮想教室での責任の果たし方
・言葉:生徒の授業への参加を促して下さい。生徒を名指しで指名して、自由回答形式の質問を直接投げかけて下さい。2、3分に1回は活発な言葉のやりとりを行うようにし、これを習慣化して下さい。
・視覚効果:生徒にパワーポイントのスライドなど使っている視覚効果に関する意見を聞いて下さい。「グラフィック・モデル」を作り、物語を伝えたり、あるいは、重要なポイントに繋がるロードマップを提供したりして下さい。
・運動感覚:あなたは今、サッカーのスタジアムにいるとします。そして、離れた客席に友人を見つけました。あなたは手を振って自分はここにいるとその友人に知らせようとします。このような運動感覚を使った行動は、数多くのコミュニケーションや学習にとって必要不可欠なものです。生徒が個人的にダウンロードしなければならない補助教材を提供して下さい。生徒を巻き込み、引き付け続けるには、仮想教室外での運動感覚を使った実地訓練を行って下さい。
授業を受ける以上、規律に反すれば罰則があるでしょうが、リアルの場ではない仮想教室ではその概念がなくなります。ともあれ、極力同じ感覚で授業を行うために、幾つかの工夫が必要です。
著者紹介
マシュー・マードックは、国際教育企業であるフランクリン・コヴィー社のオンライン教育グローバル・ディレクターです。トレイオン・ミュラーは、同社でeラーニング設計主任を務めています。
経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授