意思決定モデルは、選択肢をシンプルにし最も関係性のある要素だけを採用する。そして時間を効果的に管理するには、毎日の業務に優先順位を付けその順番に実行すること。
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
ジャーナリストのミカエル・クロゲラスとコミュニケーションの専門家であるローマン・チャペラーは、世界中の人と企業が、重要な選択をし、戦略的な方法で考えるために取り入れている最も有名な意思決定モデルを50個紹介しています。よく考えられた本書は、戦略の立て方、数多くの選択肢の中から選ぶ方法、そして合理的な意思決定を下す方法を説明しています。また、それぞれの意思決定モデルの説明には分かりやすい絵が添えられています。紹介されている50個のモデルは1つずつ深く掘り下げられているわけではなく、さらに、内容のほとんどは著者以外の人が考えたモデルの概要を説明したものになっていますが、概念化と意思決定について書かれた役に立つ興味深い本書をお薦めします。
決断すること、人生という旅路において大なり小なりそれは必ず訪れるものです。大きくは学業の進路を決断するとき、そして就職、結婚と一般的にはこのような段階を追ったものがあるでしょう。また、社会生活の中では、決断におけるスピードや質も問われると同時にその判断に対するそれなりの責務も発生します。特にビジネスで意思決定を図る際、個人の場合と集団の場合、合意をとる過程にすら大きな違いがあり、それがより合理的に精査されたものであってこそ、目的を伴った結果を得られるのではないかと思います。
とはいえ、集団の場合、適切な意思決定を下すには、関わる人々の力関係や立場を踏まえた上で、組織内で各々の役どころを知りうまく機能するように日常レベルでの信頼関係を築いておく必要があるため、個人ほどスムーズなものではないといえるのではないでしょうか。ともあれ意思決定モデルは経営学や軍事学に於いても主要的な役割りを果たしていることは事実です。そしてビジネスにおいても、意思決定モデルを戦略的に向上させることは最善の解を獲得するためになくてはならないものであるが故、その取り組み方が大きなカギとなります。
本書では、意思決定モデルの要を2点に置いています。1つは対象軸を自分自身と外部、2つ目は具体策を理解、向上という点です。これをそれぞれ統御した4分類が目標到達への高い精度を叩き出す術を教えています。実際の経験を通じて人々が作り上げたこの意思決定モデルは、まさしく決断するための本です。それではその中身を、順を追ってみていきましょう。
意思決定モデルは、難しい選択を簡単にしてくれるものです。実用的な方法で重要な情報を集め、複雑さを減らし、分かりやすいグラフィカルなマトリックスにまとめ、考えを整理しやすくしてくれます。このような意思決定モデルは、完全な解決策を生み出すわけでも、現実を正確に反映するわけでもありません。意思決定モデルの目的は、状況を新しい視点から見る手助けをすることです。
世界で最も有名な意思決定モデルは、4つに分類されます。それは、「自分自身を向上させるためのモデル」、「自分をより理解するためのモデル」、「自分以外のものを理解するためのモデル」そして「周りの人を向上させるためのモデル」です。どのカテゴリーにも数多くのモデルが存在し、そのどれもが意思決定の質を向上させる上で役に立ちます。
意思決定モデルとは型そのものが答えを持っているのではなくその型を通じてスピードやクオリティを向上させるツールであることが分かります。よって使い手の技量も問われるものと考えられます。次では4つのモデルについて一つひとつ具体的に迫っていきます。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授