状況によっては、意思決定を下すには自分自身についてより理解している必要があります。
状況により意思決定を下すモデルとは?
心理学者のミハイ・チクセントミハイは、1000人以上の人を対象に、何が彼らを幸せにするか研究しました。彼の研究で、人が最も幸福を感じるのは、意欲をかき立てるもので難しすぎない1つの活動に集中している時であることがわかりました。また、その集中した状態は「明確な目的」や「即座の反応」などによって作られることがわかりました。このような活動に専念している時、人は時間の経過を感じません。これを「フロー状態に入る」といいます。
多くの人が自分の基本的な信念に反した行動を取ってしまいます。そうすると、認知的不協和の状態が生まれます。例えば、子どもに体罰を与えることは間違いだと強く思っていても、悪さをした子どもを叩いてしまう親がいます。その親は、子どもが体罰を受けるのは自業自得だと主張して、自分の行為を正当化しようとすることがあります。このような認知的不協和を無くすには、自分の態度や行動を変えてください。
例えば、神の存在など、証明が不可能なものを信じていますか? 証明する必要などないほどに強く信じている人もいるかもしれません。哲学者のイマヌエル・カントは、「神ほどに完璧な存在」を想像する能力が、神の存在を唯一証明するものだと主張しました。また、裏付けとなる科学的根拠を理解していないにも関わらず、多くの人が宇宙のブラックホールなど想像を絶するものを信じています。
長期記憶は2つの構成要素で成り立っています。それは「再取り出し可能性」(思い出すのがどれだけ簡単か)と「安定性」(脳の中でどれだけ深く固定されているか)です。例えば、昔使っていた電話番号は、深く固定された記憶ではありますが、簡単に取り出すことはできないでしょう。また、新しい外国語の単語など、何か新しいものを憶えるためには、定期的に思い出そうとすることで「安定性」を深めることが大切です。
このモデルは、新しい技術のほとんどが、市場で完全に普及するまでに5つの段階を経て広まって行くことを説明したものです。第1段階は「技術の引き金」です。この段階では新製品に対する人々の注目が集まります。第2段階は「過度の期待のピーク」です。新製品に対する人気は高まりますが、それと同時に問題も指摘され始めます。第3段階は「幻滅期」で、新製品はもはや「良いもの」とは思われなくなります。第4段階は「啓もう活動期」で、この時期には新製品は新しいものではなくなり、企業は製品を市場から回収したり、変更したりします。第5段階は、「生産性の安定期」です。製品はこの段階では通常、バージョン2あるいは3まで進化しており、市場に定着するようになります。
自分をより深く理解するためには、漠然とした自分のやり方のみでその問いに答えようとしてもなかなか到達し難いものなのかも知れません。また自分自身がこの判断基準で本当に納得した答えを獲得しているのかという疑念を持つことにもあとあとなり兼ねかねません。ここにあるモデルは、心理学や脳科学からデータ及び事例をフィードバックしているためさらに安定した意思決定を下すことができます。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授