大切なのは、自社のサービスをどんな人が、どのタイミングで、どんな商品を利用したかをデータを活用し愚直に追い続けること。
次のWEBビジネスの突破口はどこにあるのだろうか?
前回の「終焉を迎えた、集客モデル」では、WEBサイトを作りWEB広告をかけただけで収益化させるのはすでに難しくなっている、という話をしました。ネットショップ業界で今まさに起こっていること、そしてITシステム業界の歴史を振り返ってみても明らかですが、時流で需要がバブルのように膨らみ、参入企業が一気に増え、需要が落ち着いた途端に営業コストが悪化し収益性が失われる、という流れは当然のことです。WEBサービス、ソーシャル関連事業も似たような状況に入っていると思います。
そのような中で、「Webビジネスを成功に導く」ためにはどうすればいいか。今回は、その突破口を開けるための条件と、データマーケティングの概念について伝えます。
話を進める前に、まず共通認識を持ってください。これから伝える内容はあくまで原理原則に基づいた正攻法であるということです。社内の一事業部としてのWEBビジネスや、専業でWEBビジネスを展開している企業が、事業を伸ばし続けるために必要なポイントです。時流を先読みしてホームランを狙う企業や、数十万円の売上を目指す個人の方は今回の対象ではありません。
それでは、まず成功への突破口として最も重要な条件を話します。それは、「専任」を置くことです。365日24時間、WEB事業の成功だけに頭を使う担当者が必要です。これは非常にシンプルですが、最も重要な条件です。
社内の一事業部としてWEBビジネスを展開している企業は、専任の担当者を置く勇気が必要です。WEBビジネスは、極端に言えば1番が全てを総取りできる世界です。WEBビジネスを専業で展開している企業が他にある以上、こちらも24時間WEBのために知恵を振り絞って戦わなくてはいけないのです。WEB専業で宝石を売っている企業は、ただの宝石屋ではありません。WEB戦略を徹底的に考えている宝石屋です。実商売とWEB事業の担当を兼務して勝てるほど、甘くはないのです。もちろん、WEBビジネスを専業で展開している企業も、新しい市場にアプローチする場合は専任の担当者を置いた方が、成功の確率がぐっと高くなります。
そして、「成功への秘訣」についてです。母体となる事業があり、すでにお客さまがいて、世間からの認知もあり、物販であれば在庫も母体の事業と共有できて、WEBビジネスが軌道に乗るまで事業を回せる資金があれば、そんな企業は最高です。しかし、一部の大手企業ならともかく、上記全ての条件が揃っている企業はなかなかないでしょう。それでは、WEBビジネスを成功させるためのキーポイントになるものは何か。それがデータです。
社内の一事業部としてWEBビジネスを展開する企業にも、WEBビジネスを専業に展開している企業にも、これからWEBビジネスを展開していく企業にも、どの企業にも均等に与えられるもの、それがデータです。もちろん、各々の企業によって取得できるデータの量に差があるのは確かです。だからこそ、データ活用の概念を先手で学び、WEBビジネスの活力にしていきましょう。データを制するものが、WEBビジネスを制します。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授