学習機能付き英文チェッカー「Ginger」が日本向けに正式リリース。統計分析に基づき、ネイティブが使う自然な表現の英文に簡単に修正できるというのが売りだ。
イスラエルのGinger Softwareは4月24日、学習機能付きの英文チェッカー「Ginger」(ジンジャー)を日本向けに正式リリースした。基本無料でWebブラウザ上などで英文を書く際に使用でき、統計分析に基づいてネイティブが使う自然な表現の英文に簡単に修正できるというのが売りだ。
「Ginger」は正しい英文のライティングをサポートするツール。単語や文法レベルのミスだけでなく、時制や前後の文脈も考慮し、ネイティブが使う自然な表現に修正するという。Webブラウザ(Internet Explorer、Firefox、Chrome、Safari)か、単体ソフトのインストール(Windows版のみ)によりMicrosoft Office上で利用が可能だ。
WebメールやSNSで英文を書いたり、WordやPowerPointでドキュメントを作成する際に、ポップアップで正しい表現を自動的にサジェスト。それを選べば正確な英文が入力できる仕組みだ。前後の文脈からミスを正しい英語を判断したり、文章が伝えたいことを理解した上で文法ミスやスペルミスを修正してくれるという。
英語ネイティブの人がネット上で使っている5億に上るフレーズを収集して解析した結果に基づくエンジンを利用しており、文脈解析に基づく英文チェックが可能になっているという。チェックはサーバ側で行うため、利用時はネット接続が必要になる。
単体ソフト版では学習アプリ機能を有料オプションで利用できる。英文チェッカーで修正された点を踏まえ「前置詞」「時制」など苦手な分野を洗い出し、2択のクイズ形式で出題。「自分のミスをもとにしたワークなのでこれ以上ないほど効率的に学習できる」という。学習機能付き英文チェッカーは月額4.9ドル、3年プランは59ドル。文章読み上げ機能が追加されたものは3年プランのみで140ドル。
同社は2008年にイスラエルで設立されたベンチャー企業。数年かけてインターネット上で使われている生きた英単語やフレーズを言語解析・統計解析し、自然言語理解プラットフォームを自社開発した。表現が正しいかチェックしたいというネイティブユーザーも利用し、米国や英国を中心に現在月間アクティブユーザーは100万人という。
ネット上で使われている言葉には不適切な表現や好ましくない表現も多いため、出現数のみに頼らず、フィルタリングした上で「自然な英語」のデータを蓄積しているという。一方で、SNSでのコミュニケーションによく登場するカジュアルな俗語や略語(感嘆語“Oh my god”を示す“OMG”など)は多少崩れていてもスペルミスとして逐一修正指示を入れないといった配慮もしているという。
同社マーケティング部門のディビッド・ノイさんは「イスラエルの言語はヘブライ語。世界で自分たちしか使っていない言葉が母語である点で日本には親近感がある。グローバル化のなかで英語を使う際の苦手意識や学習へのニーズの強さも同じ。きっと喜んでもらえるはず」と日本市場への期待を示した。
今後は、日本語キーボードに対応したモバイル向けアプリケーションも検討しているという。現在開発中の「Rephrasing tool」のデモも公開され、「近いうちにみなさんにお届けできるようにしたい」(ディビッド・ノイさん)とした。
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