リーダーシップとコミュニケーション能力だけでは事業は推進できない。経営者が管理職に望む「第3の経営能力」とは。
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経営者からすると「マネジャー」と総称するのは、多くの会社で課長以上でしょう。管理職として部下たちを指揮して結果を出すことが求められます。チームを率いてまとめていくわけですから、マネジャーに対して要求される能力としてよく言われるのが「リーダーシップ」です。
リーダーシップを発揮するために不可欠な行為が「コミュニケーション」、つまり部下たち(チームの成員たち)との意思疎通能力です。「リーダーシップ」と「コミュニケーション能力」は、ですから部門責任者であるマネジャーにはとても重要な能力だと喧伝されてきました。また自覚と意識がある管理職なら、この2つの領域における能力開発に鋭意励んでいるわけです。
ところが……残念ながら事業部長などの経営幹部や役員などを目指すためには、この2つの能力だけでは足りないのです。というのは、「リーダーシップ」と「コミュニケーション」の重要性には管理職みんなが気づいて日常業務の中での能力開発や精度の向上に努めてしまっているからです。「リーダーシップ」と「コミュニケーション能力」だけでは差が付かない、どころか同じコトをしていてるだけでは置いて行かれてしまうことがある、と思わなければなりません。
そこで、「第3の経営能力」という話です。多くのマネジャーがその重要性に気が付いていない、しかし社長は皆さんに強く望んでいる「第3の経営能力」とは一体何なのでしょうか。それが実は「戦略策定能力」なのです。
経営者は――社長自身は、全社を率いて全力で走っています。全体の方向やスピードなどを差配し、できれば最大効率で進んで行こうとしているわけです。そんな経営者にとって、「できれば部門の戦略策定は部門責任者がやってくれれば、できてくれれば……」と望むのは不思議なことではありません。神ならぬ身の社長ですから、それぞれの部門の細部まで全てお見通しの上で会社を経営しているというわけではないのです。
読者の皆さんも、初任管理職なったときに「マネジャーが部門戦略も考えて率いていってくれたら」という、言わば「自立型マネジャー」像を求められた感覚はありませんか? もし今になってもそんな感覚が無いとしたら、それは問題かと思います。そもそも、トップや他人様から求められないにしても、自分がそれを求めて行かないでどうしますか。
経営戦略には――全社戦略も部門戦略も同じです。「戦略の時間枠」を設定します。「自部門の三年戦略」を立ててみてください。なぜ3年なのか? 5年、10年では遠すぎて、戦略策定者だったあなた自身がそのポジションを越えてしまっているはずです。また1年では短すぎるでしょう。戦略は次の「5つのステップ」で立てます。
経営戦略とは、最初の4つのステップとして示された
それぞれの各ステップでの「最重要なコト」を言語化していく行為です。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授