なかなか貯金が増えない人向けに、銀行口座をバーチャルな貯金箱と連係させるだけで、自動的に、無理のない範囲で貯金できるサービス「Digit」が米国で公開された。
米新興企業のDigitは2月19日(現地時間)、連係させた銀行口座から自動的に預金を移動してお金を貯める無料のオンラインサービス「Digit」を公開した。まずは米国の2500以上の銀行をサポートし、将来的には米国外の地域でもサービスを提供したいとしている。
Digitを使うには、オンラインでサインアップする際にSMSの連絡用の携帯電話番号と、連係させたい銀行口座番号を入力するだけだ。Digitのサービスは256ビットの“銀行レベルの”セキュリティで守られており、同社がユーザーの銀行口座へのログイン情報を保存することはないという。また、米連邦預金保険公社(FDIC)により、最高25万ドル(約300万円)まで保証されている。
サインアップすると、Digitのアルゴリズムがユーザーの口座の動きを解析し、無理のない範囲の金額を2〜3日おきに口座からバーチャルなDigitの貯金箱に移動する。1回に移動する金額は5〜50ドル程度(ユーザーの口座の入出金レベルによる)。貯金ごとにDigitが(ユーザーが番号を登録した携帯端末に)SMSで連絡してくる。
口座が赤字になるような金額移動は基本的にはないが、タイミングによってそうなってしまった場合、貸付金利はDigitが負担する。
貯金を崩すには、DigitにSMSで指定金額を引き落とすと連絡する。SMSを送信した翌営業日には引き落とし金額が連係口座に戻る。
このサービスは完全に無料だが、Digitに貯金している金には利息がつかない。Digitの収益は、この利息分だ。1人当たりの利息は微々たるものだが、ユーザーが増加すれば十分成り立ちそうなビジネスモデルだ。クローズドβの期間中、60万ドル(約7000万円)が“貯金”されたという。
自分の意志で貯金するのは苦手なユーザーであれば、少しの利息をあきらめてでも気づかぬうちにある程度の貯金ができるのは便利だろう。
Digitは2012年創業のサンフランシスコに拠点を置く非公開企業。創業者のイーサン・ブロックCEO(29)は13歳でのeコマース企業立ち上げから幾つものオンライン事業を創業し、そのうちの1つが2012年に会計ソフト大手のIntuitに買収された際に同社入りした後、Digitを立ち上げた。昨年12月にはシードラウンドで250万ドル増資し、米Googleの投資部門Google Venturesも出資している。
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