日本を代表する社長となった人のが課長時代どんな動き方をしていたのか、あるいはどんなことを考えて動いていたのか、分析したら見えてきた共通して持つ3つの力。
この連載では、エグゼクティブの皆さんがご活躍される際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていきます。
第1回は、「そもそもマネジメント力」とは何か、というところから始めてみたいと思います。
先日、当社(経営者JP)主催のオンライントークライブで、プリンシプル・コンサルティング・グループ代表の秋山進さんと対談を行いました(2022年1月27日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:経営者・役員になれる人vs なれない人」)。
その場で、秋山さんの著書『社長が“将来”役員にしたい人、「25の条件」』はどう作られたのかという話になったのですが、秋山さんはこの本を作る背景となった、社長候補者の選抜を何社かから依頼された際に、その選抜基準を策定するに当たって日本経済新聞の「私の課長時代」という連載をベースにしたそうなのです。
日本を代表する社長となった人の課長時代の話ですから、この連載を見れば、将来、社長になる人の共通項が分かるであろうと。
秋山さんは、この連載から調べられる限りの「私の課長時代」を集めて、どんな動き方をしていたら、あるいはどんなことを考えて動いていたら社長になれたのかを、ひと夏をつぶして分析しました。
結果として明らかになったのが、「トップマネジメントになる人は、最終的にはこの3つの力を持つ」。それが「構想する力」「良い情報を集め判断する力」「遂行する力」でした。
1、「視界が広いのではなく、広くなっていく人である」
2、「<ではの守(かみ)>(我が社では、これまでは、と前例踏襲主義の人)ではなく、異なる価値体系を理解できる人である」
3、「今を見るだけではなく、歴史的必然を見る人である」
4、「総合ではなく、統合できる人である」
5、「偉い人の追従ではなく、持論を臆せず表明できる人である」
6、「他者からの評価に依存せず、自己を定義して動く人である」
7、「どうするかではなく、何をするかを考える人である」
1、「幅広い興味関心を持つ人ではなく、興味関心が広がる人である」
2、「強烈な目的意識だけでなく、偶然の活用を知っている人である」
3、「直ちに整理せず、別の意味の可能性を考慮できる人である」
4、「個別最適化だけでなく、全体最適化を理解できる人である」
5、「複雑に把握せず、目的にシンプルに整理できる人である」
6、「直属上司に合わせるのではなく、狭あいな判断とぶつかることのできる人である」
7、「合議ではなく、自分で決めることのできる人である」
1、「人を教え導くのではなく、機能させ活用する人である」
2、「上手に使う人ではなく、使い・使われる人である」
3、「与えられた戦力だけではなく、戦力確保に貪欲な人である」
4、「役割を遂行するのではなく、現在位置と将来像を示す人である」
5、「キチンと仕事をするのではなく、ピンチに成果が出せる人である」
6、「何でもやるのではなく、制御でき重要なことに集中する人である」
7、「実力がある人ではなく、実力があり・運がいい人である」
このような要素が抽出されました。
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明治学院大学 経済学部准教授