第1回:社長になる人が、課長時代から共通してやっていることマネジメント力を科学する(2/2 ページ)

» 2022年04月13日 07時08分 公開
[井上和幸ITmedia]
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「経営者力」「マネジメント力」で開発可能な部分にアプローチする

 ところで皆さんは、「経営者力」「マネジメント力」と聞くと、どのようなことを想起しますか?

 戦略策定力、組織管理能力、指示・命令力などのスキル・実務能力でしょうか。あるいはタフ・アサインメント(修羅場経験)や人間性・人格を思い浮かべる人もいるでしょう。特定業界、職種における専門性も欠かせないかもしれませんね。

 もちろん上記のいずれも経営者として、あるいはマネジメントとして活躍するためには一定以上のレベルが必要不可欠です。そのような中で、私(および当社、経営者JP)がいま、もっとも着目しているのが、その人の「思考、行動」部分です。

 なぜかと言いますと、「思考、行動」によってその人の経験や実績、スキル・専門性が培われますし、またその人の人間性・性格は「思考、行動」に現れるからです。その人に内在するあらゆる要素と連関していて、アウトプットに直結しているのが「思考、行動」です。

 この「思考、行動」への着目とアプローチが、もう1つ非常に良いのは、「可変性がある(変えられる)」「計測可能である」ことです。つまり定点観測して、そのレベルを評価することができ、「もっとこの部分を高めよう、強めよう」と思えば、開発可能です。

 そこで当社で開発したアセスメントが、「経営者力診断」です。昨年(2021年)10月1日にリリースし、ただいまさまざまな業種・規模・ステージの経営者から幹部各位が受検しています。

 この「経営者力診断」では、経営者力は「5つの力」から成り立っており、その5つの力を構成している13の素養をスコアリングできるようにしました。

 面白いことに、先に紹介した秋山さんの分析から出てきた3つの力と、「経営者力診断」で明らかにした5つの力は、そのまま完全合致していたのです(秋山さん分析の「構想する力」「良い情報を集め判断する力」「遂行する力」の3つが合致し<必須3因子>であり、これに加えて「人をまとめる力」と「学び続ける力」の2つが、掛け算の<レバレッジ因子>となります)。

 次回、この経営者力・マネジメント力を成り立たせる5つの力について、具体的に紹介してみます。

著者プロフィール:井上和幸

株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2021年、経営人材度を客観指標で明らかにするオリジナルのアセスメント「経営者力診断」をリリース。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日経産業新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。


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