モノを生み出すのもヒト。カネを増やすのもヒト。会社を生かすも殺すもヒトと組織次第。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
「事業がうまくいってない」「業績が伸びない」「資金繰りが厳しい」「人が育たない」など、会社はさまざまな問題を抱えています。その問題の根っこには往々にして「動きすぎてしまう社長自身の存在」があります。
やっかいなのは、社長たちの動きすぎが「よかれ」と思ってなされていることです。
社長であれば、当然「この会社を背負っているのは自分だ」という責任感や自負心を強く持っています。会社に対する責任感や自負心は、社長として必ず持っているべき重要な資質のひとつであることは間違いありません。しかし、ときにその責任感や自負心が強すぎるあまり、知らず知らずのうちに「動きすぎて」すべてに関与しようとし、結果として社員の自尊心を踏みにじる結果になっていることがあります。
以前、全国の中小企業、ベンチャー企業の経営者が集う「ダイヤモンド経営者倶楽部」で講演をした際、会場にいた経営者に「あなたは、自分の時間をどのように使っていますか?」という質問をしてみました。すると、ほとんどの方から「戦略の策定や人材の育成に時間を使いたいと考えている」にもかかわらず、現実には「日々の業務を自ら率先垂範することに自分の時間の大部分を割いている」という答えが返ってきたのです。この答えから見えてくるのは、仕事のコアな部分のほとんどを社長自身が引き取り、やってしまっている、動きすぎる社長たちの姿です。
すべての業務に関与して、社長自らが引っ張っていこうという姿勢は、個人事業もしくは従業員10人未満の小さな会社でやる分には問題はありません。むしろ、社長個人の能力や情熱が推進力となり、事業が効率的に動いていく可能性は高いと言えます。
しかし、それなりの規模の組織で大きな仕事をしていこうとするときは、社長が前に出すぎることはたいていマイナスに作用します。
なぜなら、動きすぎる社長の下では「ヒトが育たない」からです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授