一部大手を除き、物流会社の動きが鈍い中、荷主であるメーカーが、新しい物流ビジネスに挑もうと検討を始めている。深刻な人手不足から「このままでは商品を顧客に届けられなくなる」と危機感を抱いているからだ。
物流の装置産業化は、個社が抱えている物流機能を外部化しやすくなるということでもあり、先手を打ってチャレンジすることで、特定の業界・業種において物流プラットフォーマーの地位を獲得する機会も広がる。複数のメーカーの商品を同じ物流センターに保管し、納品先まで同じトラックで配送すれば、効率化や品質向上を図ることができるし、調達・生産から小売・消費までのサプライチェーン全体をつなぎ、物流の情報もつなぐことで最適化も実現しやすくなる。リアルタイムで最前線の情報がつかめれば、顧客を起点としたデマンドチェーンを構築することもできる。
「iPhoneも音楽プレーヤーに通信機能を搭載したらどうなるかが出発点。ここまで世界を変えるとは想定されていなかったはず。まずは、物流に課題があると感じていれば、拠点をデジタル化して見える化を図ることから試してみるべきだ」と小野塚氏。
物流はほとんどの企業でコストセンターとみられているが、デジタルテクノロジーをうまく活用することで利益を生むプロフィットセンターへと変革できる。アスクルのようにAIやロボティクスで高度に自動化された物流設備とデータ基盤を外部に提供するオープンな物流プラットフォームの取り組みも始まっている。
「経済の血脈ともいわれる物流を、ITと同じようにGAFAのような海外勢に牛耳られるのは避けなければならない。Amazonのように囲い込む戦略ではなく、日本企業らしい戦い方はあるはずだ」(小野塚氏)
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授