このコロナ禍の最中にどう過ごしたか、でそれ以降の活動に大きく差が出るでしょう。ただただ毎日をこれまでの日常と同じように過ごした人と、新しいことにチャレンジして知識や経験値を上げていった人たちで雲泥の差が出ます。サイバーセキュリティの人材育成は継続的な努力が必要であり、ある程度基本的な事を一通り身につけるだけでもかなりの時間がかかります。自発的にやるために最も重要なのは好奇心です。サイバーセキュリティのさまざまな事柄を学ぼうとおもえば、無料で手に入る教材がいくらでもインターネット上に公開されています。
私が日常的にやりとりしているいろいろな企業においてコロナ禍中の工夫でどのようなことが行われているか、いくつか聞いたものをまとめてみました。
従業員が在宅勤務を続けていることでメンタル的に何か弊害がおきるのではないか、ということで人事部が定期的にかつ順番に従業員と会話をして何か問題を抱えていないかを入念にチェックしています。その企業では誕生日になると人事部からバースデーカードと花束が贈られてくるそうです。
これは国内の企業でもあちこちで聞く話ですが、チャットによる業務コミュニケーションを中心としている企業などで、仕事の話ではない雑談部屋を作って従業員の息抜きを促進します。海外でも同様のことが結構行われているようです。
従業員同士の交流を目的として毎週金曜日のランチタイムにクイズ大会を開いて、好成績を収めると自宅に賞品が送られてくるそうです。
ある企業では、人事部から定期的なチャットメッセージで「そろそろ仕事を休憩して歩いたらどうですか」と促されるそうです。運動不足になりがちな在宅勤務への対策です。
在宅勤務をしていると仕事にのめり込んでしまい気が付くと夜遅い時間、ということがあるかと思いますが、そういったことに陥らないようにするために普段の仕事時間程度で仕事を切り上げるように上司が部下の稼働時間を気にする企業があります。
私は新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が中心になる以前から自宅での作業環境をかなり真剣に整えてきました。疲れにくい、体に負担をかけすぎない環境を作る上で私自身が気を付けたことをいくつか紹介します。
こうすることで首の疲れ方が変わってきます。
自宅の作業環境を作っていく際に、40インチ程度の大きなモニタを試しに使ったのですがモニタが大きいほど高解像度でたくさんのウィンドウを置くことができる反面、自分との距離をある程度取らないと画面が近すぎて見にくかったり、目線を大きく移動しなければ端まで見ることができなかったりということがあります。目線を大きく動かさなくても端まで見える大きさのモニタと自分との距離を適切に取るることが重要だと考えています。
自宅で作業する際にちゃんとした椅子を購入しようと思って、オフィスチェアの専門店で、かなり時間をかけて姿勢や作業方法なども説明しながら自分にあった椅子を選びました。その時に得られた結論は上記のものですが、ずっと座っていることを想定すると座面はクッションではなくメッシュのものがオススメです。お尻がいたくなりません。
自分はデスクを低めにして利用するのが好みです。ヒジの高さを下げて作業できる方が肩への負担は少ないと考えています。また、立って作業することが運動不足の解消につながるという観点で、高めにできるデスクを好む人もいますし、デスクの上にノートPCを高く設置できるようなスタンドも売られています。
キーボードに対してヒジの角度が自然になるようにキーボード(またはノートPCであれば本体全体)がナナメになるように傾斜を付けて利用しています。そうするよりも前に比べて腕の疲れ方が大分変わった気がしています。MOFTというブランドで販売されているノートパソコンのスタンドを愛用していますが、腕の疲れ方にかなり差があると感じています。
作業中は足を地面に置いていると思いますが、デスクの高さを変えられない場合は足がつかない程度に椅子を高めにすることでキーボードの高さを相対的に低く設定することができます。そうすると足が浮いてしまいますので足置きを設置する必要が出てきます(段ボールでもかまいません)。この際、足に角度が付けられるような置き方ができるとより快適だと思います。
Armoris取締役CTO、『サイバーセキュリティマネジメント入門』著者
元ゲーマー。学生時代にITを学び、社会人になってからセキュリティの世界へ入る。20代後半から国際会議での講演や運営に関与しながら、国際連携や海外セキュリティ機関の設立を支援。2011〜14年 三菱東京UFJ銀行のIT・サイバーセキュリティ管理に従事。その後、金融ISAC創設時から参画し、国内外セキュリティコミュニティーの活性化を支援。並行して12年間に渡り、国内外でサイバー攻撃演習を実施するなど、経営層・管理者・技術者を対象に幅広く実践的なノウハウをグローバル目線で届けている。金融庁参与も務める。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授