サイバーセキュリティとは関係なさそうに見えて密接な関係にある英語。最新の情報を得たり、それについて議論したり、広く全体を把握するという観点で世界中の人たちとのやりとりが欠かせない。
新型コロナウイルス対応で世の中の様子がすっかり変わってしまいました。私が参加予定だった机上演習やトレーニング、セミナーなどもキャンセルが相次いでいます。
この状況下で、さまざまな立場の方が突然の対応に苦慮しており、特に厚生労働省の方々の苦労は漏れ伝わってくる範囲だけでも本当に大変だと思います。さまざまな意見がある中で、私が感じているのは、これらの対応が、想定外の状況への対応能力の向上という意味でサイバーセキュリティの演習などで伝えたいことがふんだんに詰まっているということです。
深刻なサイバー攻撃被害が発生した場合には、企業全体での危機対応態勢を発動させて対応していくことが必要になります。その際にはサイバーセキュリティの事案対応を専門でおこなうCSIRTやIT部門のみでなく、広報部門や法務部門、取締役会なども密接に関わってきます。
さまざまな企業における新型コロナウイルスへの対応を聞いていると、危機対応が得意なところとそうでないところで動きが明確に違うことが分かります。比較的規模の小さなある企業では、普段何も意思決定をしない社長が今回の件で突然会議に出てきて現場のことも理解していないのにめちゃくちゃな方針を決めてしまい、現場が大混乱しているという話を聞きました。
リーダーシップを発揮し、意思決定し、組織全体がそれに従って動く。それがスムーズに行われるようになるためにはやはり日頃の鍛錬も必要です。今回の対応を通じてさまざまな学びが生まれ、サイバーセキュリティの文脈に読み替えた教材がたくさんでてくるでしょう。
さて、今回のテーマは「英語」にしたいと思います。サイバーセキュリティとは関係なさそうに見えて密接な関係にある英語というトピック。私自身、仕事上のコミュニケーションの40%程度は、海外の人と英語でのコミュニケーションです。サイバー攻撃に関する最新の情報を得たり、それについて議論したり、追加の情報を得たり、質問をしたり、されたりといったことは国内向けにも行っていますが、広く全体を把握するという観点で世界中の人たちとやりとりをしています。原稿執筆時点のこの一週間くらいはベトナム、韓国、インドネシア、エストニア、ポーランド、イギリス、アメリカ、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、バングラデシュ、タイの人たちとやりとりをしています。
これらのコミュニケーションのほとんどはチャットを利用します。チャットを利用したコミュニケーションは大学生の頃から日常の中心になっていますが、特に自分も相手も英語ネイティブではない状況においては非常によく理解しあえると感じています。また、チャットのやりとりは複数を同時並行で行えたり、自分の手元の作業も並行して行えたりするため、効率がいいというメリットもあります。
話が逸れますが、私が普段使っているMacBookProは仮想デスクトップが8つあがっており、チャットアプリは常に10から20程度、会話中のスレッドでいくと、多いときは同時に50程度さばいています。それだけ多くの情報を同時に処理していて頭が混乱しないのか、といわれることもあるのですが、かれこれ20年もこんなことをしているので慣れてしまったようです。
多くのウィンドウを同時に扱いますので、MacBookProの画面1つだけでは作業効率があまりよくないため、可能な限り外付けモニタ(できれば2枚)で作業しています。自宅の作業環境ではウルトラワイドの大型モニタ2枚を外付けにして利用しています。なるべく大きな画面になるべく多くの情報を同時に表示してチャットのアップデートを逃さないという感じです。
また、チャットの会話スピードを上げるためにキーボードのタイピングスピード向上に励んでいた時期もあり、今では全盛期より多少遅くなりましたが、おおむね500打鍵/分程度で作業しています。いかに効率的に短時間に大量の情報をさばいてインプットとアウトプットを増やすか、ということを考えています。
出張の際にもホテルなどで作業するときには外付けのモニタが欲しくなりますので、部屋に設置してあるテレビをHDMIで接続して外付けモニタにしたり、出張先の会議室でも15インチ程度のポータブルモニタを設置したりということもしています。そんなことばかりしているので海外の友人たちにはすっかりガジェットオタクとして定着しています。
話が脱線しましたが、サイバーセキュリティの最新情報を収集するためにウェブブラウザを中心とした情報収集ツールも常に立ち上がっています。そうして得られる情報のほとんどは英語です。人によっては中国語やロシア語の情報も収集していますが、私はほとんど英語にたよっていて他言語の必要性があると、その言語ネイティブの友人に見てもらうようにしています。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授