連載
» 2020年05月26日 07時06分 公開

サイバーセキュリティマネジメント海外放浪記:アフターコロナは、あなたが今どう過ごすかで変えられる (1/2)

これまでの考え方や価値観でいたら思い付かないことができるし、社会がそれを許容するようになってきている。

[鎌田敬介,ITmedia]

 本連載のタイトルは海外放浪記なので、海外に行った際に得られた知見を紹介することが主な目的ですが、3月、4月と海外に行けておりません。5月も予定はないのですが、「次に海外に行けるのはいつだろうか」と海外出張が多い国内外の友人達とのコミュニティーで話題にしています。

 日本国内でも海外でもビデオ会議が主流になり、人と直接会わなくても会議をすることに慣れてきているので、「もしかしたらこのまま海外出張に行くことがほとんどなくなる世界になるのでは?」という話も出ています。一方で、海外とのコミュニケーションはリアルで会うことが全てではなく、むしろやりとりのほとんどはインターネット越しで行われるため、メールやチャットでの “海外放浪” は今でも前と同じように継続しています。

 ところで、英語だと「Positive」という単語は前向きにいるという意味合いとして使うことがあります。逆に「Negative」は後ろ向きなイメージなので、「Be Positive!」などといって前向きでいようぜ、という空気感を作り出そうとすることがあります。

 一方で新型コロナウイルスに感染し「陽性」となればこれも英語では「Positive」になります。陰性ならば「Negative」です。こういった英単語の背景から、海外の人とビデオを会議すると、冗談として「Stay Negative!」と言い合うことがあります。これは要するに、新型コロナウイルスに対して陰性でいられるようにStay at Homeをして頑張ろうということです。

 世の中のいろいろな人たちがリモートワークにもビデオ会議にも慣れてきており、問い合わせなどのやりとりでも、電話以外にメールやチャットなどを使う必要性が理解されるようになってきました。自宅にいると子供など家族がいて落ち着いて電話ができなかったり、ビデオ会議もままならなかったりということで、車の中で仕事をしているという人もいます。

 仕事のビデオ会議で子供が現れても抵抗がないという企業も出てきていますし、コールセンターで子供の声が聞こえてもしょうがないといって在宅にしている企業もあります。ずっと在宅だと食事も単調化するので、自分での料理に工夫をしたり普段はテークアウトをしていない飲食店を順番に試したりという話も聞きます。ちなみに、筆者自身は、普段積極的に食べないようなものをあえて食べることで食事にバラエティを持たせています。

 ビデオ会議の背景機能をうまく使って自分はパソコンに向かっているように見せておきながら実は寝転がって話を聞いているという仕掛けが話題になっています。「ビデオ会議のマナー」と称してアナログワールドのマナーを持ち込もうとする人もいますし、ビデオ会議で飲み会をやるのに上司に付き合わされて嫌な気分になるという話もあります。私の海外の友人からは「日本ではビデオ会議を使った飲み会がはやっているんでしょ? オン飲み(on-nomi)っていうの?」などと聞かれました。

 収入が減ってしまう、所属先企業の倒産も視野に入れている人たちが副業を始めるという話もちらほら聞きます。都内ではUber Eatsの配達員が需要と共に増えているようで、Uber Eatsで人気のお店にランチを買いに行くと、数分おきに配達員の人が品物を取りに来ているのを目撃します。「定額給付金をもらったら何に使うか?」という話題も見聞きします。私のとある友人は在宅ライフを充実させるための設備投資に使ったようです(給付金自体はまだ受け取っていないにもかかわらず)。

 さまざまな人がいろいろな行動を取り、生活スタイルが今までとは大きく変化し、消費行動も変わり、企業の破綻に関するニュースも出始めています。おそらく元通りの世界には2度と戻らないでしょう。さらに、このタイミングで米国防省がUFO(未確認飛行物体)の動画を公式に認めたというニュースも出ていることに驚きましたが、コロナウイルスと関係があるのかな?といううがった見方もしてしまいます。目を引こうとする「フェイクニュースまではいかないけどそれは言いすぎだろう」というニュース記事も相変わらず多くありますし、フェイクニュースも次々と出てきます。自分が接する情報との付き合い方にも慎重さが必要です。

 今までの世界では起きえなかったことが次から次へと起きているという現実の中でわれわれは生きており、急速に時代が変化していて、この変化に追い付き続けながら日常を送り、社会と自分自身をアジャストしていく必要があります。これらの変化は未来から現在を振り返ったときに大きな転換点だったと感じることは間違いないでしょう。

 変化していることに気付けず過去に固執し続ければどんどん時代において行かれるということが急速に進んでいます。ある組織の役員が全ての会議のテレビ会議化にかなり乗り気だそうです。理由は物理会議だと複数の会議に同時に出席できないが、テレビ会議あれば複数同時にこなすことができるから、だそうな。複数会議の内容をちゃんと把握できているのかどうかは疑問ですが、場所によってはそういった変化も起きています。

これは、テレビ会議システムのバーチャル背景を使いこなせず某トーマスになってしまった例。テレビ会議の副産物として、普段お堅い仕事をしている人のおちゃめな側面が垣間見られたりします。

 さて、私の本業であるサイバーセキュリティの世界では、医療機関などへの情報目的のサイバー攻撃が激化しているという話もあれば、サイバー犯罪者が売り上げの10%を慈善団体に寄付しようとしているという話もあります。Armorisのクライアント企業からは「あえてこの機会に」、長期間かけなければ改善できないようなことに取り組もうということで、人材育成に関するセミナーのビデオ会議での開催依頼もあります。

 海外の友人からもテレビ会議を使ったサイバーセキュリティのセミナーを開きたいからパネルディスカッションに参加しろ、といわれており、そちらは現在準備中です。コロナ前であれば、1週間程度のカンファレンスで集まってやっていたようなことが、いまではちょっと声をかけて即興でできるようになりました。これまでの考え方や価値観でいたら思い付かないことができるし、社会がそれを許容するようになってきています。

これは、東南アジアのセキュリティカンファレンス常連で集まり、即興でセミナーを開催したときのスクリーンショット。参加予定のなかった2人もライブで呼び出されて飛び入り参加し、活発に議論しました。
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