台湾の電子機器受託生産大手、鴻海精密工業で電気自動車(EV)事業のトップを務める関潤・最高戦略責任者(CSO)は9日、都内で同社のEV事業について説明会を開いた。
台湾の電子機器受託生産大手、鴻海精密工業で電気自動車(EV)事業のトップを務める関潤・最高戦略責任者(CSO)は9日、都内で同社のEV事業について説明会を開いた。鴻海は、EV事業を巡り、自動車メーカーとの協業を進めており、昨年12月にホンダと日産が経営統合の協議に入るきっかけにもなった。関氏はそのキーマンであり、日産自動車のナンバー3の副最高執行責任者(COO)や日本電産(現ニデック)の社長を経て、再び日本の自動車産業の表舞台に舞い戻ってきた。
説明会では関氏は、「エンジン、トランスミッションを積む車に全く興味はない」と述べ、「われわれはEV屋」と強調した。一方で、「がっぷり組んでシナジーが得られるところがあれば、徹底的に早くやりたい」と日本企業との連携に意欲をみせた。
日産時代の関氏は、株価連動報酬を不当に上乗せして受け取っていた問題で西川広人社長が引責辞任した後、19年に副COOに就任するも、1カ月足らずで退任した。一代で日本電産を興したカリスマ経営者・永守重信氏の熱烈なヘッドハンティングを受けたのが理由だった。
20年に日本電産に移籍し、社長に就任すると、永守氏の後継者候補として、21年には最高経営責任者(CEO)に昇格。その後は、担当する車載事業は業績不振を理由に降格されるなどの苦汁をなめ、22年に社長も退くこととなった。
紆余曲折を経て、関氏は23年2月から鴻海のCSOに就いている。関氏は日本電産での経験について、「本当に勉強をさせてもらった。高地トレーニングのようで、しかも標高4000メートルくらいの」と振り返った。
関氏は「(EV事業で)日本のサプライヤーが言い訳をしだすと、どんどん(中国メーカーから)離されていく。日本(の自動車産業)が守られても、最後にはそうではなくなる」と警鐘を鳴らし、鴻海について「車の基本要件の技術は他社以上にできているとアピールしている」と自信をみせた。(高木克聡)
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