全国で稼げる地域づくりを手伝っているが、コロナの影響で応援していた地域が大きなダメージを受けている。誰にとっても非常につらい半年ではあったが、今後の地域ブランディングにおいて、いくつか大事な観点があると感じている。
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私は地域ブランディングの観点から全国で稼げる地域づくりを手伝っている。コロナの影響で応援していた地域が大きなダメージを受けている中で、われわれのできる支援を考えてアクションをし続けてきた。誰にとっても非常につらい半年ではあったが、今後の地域ブランディングにおいて、いくつか大事な観点があると感じている。
特に2つの観点をもって対応できたかどうかという点は、これからその組織が地域における中心プレーヤーになっていけるか、それとも時代の変化の中に埋もれていってしまうかというところで、より差が拡大していくだろう。過去の延長でなく、100年に一度のパラダイムシフトが起こっている今だからこそ、先を読み取り、新たな時代で活躍するリーダーになっていってくれるとうれしい。その2つの観点とは(1)「変化へのチャレンジ精神」と(2)「共感性ファンづくり」である。
まず(1)の「変化へのチャレンジ精神」だが、コロナ禍において、これから時代をけん引していくだろうリーダーが顕著に炙り出され、むしろ変化にチャレンジしていけるリーダーはネットワーク化され、その連携でさらに大きなうねりとなりはじめているように感じている。
コロナ禍初期においては、会社・事業継続のためにひた走った状況はどの経営者も一緒だろう。私自身も目の前の資金繰りに血眼になって、銀行各所や役所に各種申請書を出して何とか今ぎりぎりのところをつないでいるので、多くのリーダーの置かれた状況を痛いほど理解している。
ただ、そのあとのアクションで大きな差がついてきている。資金繰りと合わせてリスクや社会変化を察知して、リモートワークなど各種制度を導入し、関係者およびその家族の感染リスク軽減で、安心・安全の担保をしていくことは第一フェーズであり、そのための努力という点ではどのリーダーも動いていたようだ。
それだけで相当大変な作業であり、その遂行だけでもかなりのパワーが必要だった。ただ、そこからさらにもう少し踏ん張って、制約条件がある中でも、常にアンテナを広げてチャレンジをしたリーダーも多い。このコロナ禍というのは、そのチャレンジをしたかどうかで大きな差が生まれてきた。
正直誰も正解が分からず、やったところで、それがうまくいくか分からない状況は同じであった。ただ、その中で変化へのキーワードは、どこかで誰かが発信していた。情報は誰でも拾えるものであり、アイデアも誰でも思い付くものではあるが、臆せずスピーディーにチャレンジし、その中で見えた課題をすぐに改善し続けたリーダーもいた。
それぞれが置かれた業界の変化を先んじて読み取り、新たなポジショニングを想定して、手を打ち続けたプロジェクトは、世の中が注目して、そこに支援者が集まり、気付けば業界の新たなオピニオンリーダーになっている。
特に観光業界においてはそのオピニオンリーダーの変化は激しく、新たに登場した方々は非常に頼もしく、私も刺激をもらっている。誰にも答えがあるわけでもない中で、一生懸命考えて動いていると、そこにさらに情報が集まり、そして動いた人々で新たなコミュニティーが形成されていく。そして、どんどんオピニオンリーダーとして認知が高まり、メディアも注目して、新たな地位がブームでなく確固たるものになっていく流れが見受けられた。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授