成城石井が他のスーパーと違うワケ――スーパー冬の時代に「10年で売上高2倍」の理由ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

成城石井に置かれている商品を巡るエピソードは、とても強烈だった。いつか成城石井で売られている商品について、じっくり取材して書き上げる機会を求めていたのだが、それが結実した。

» 2020年10月01日 07時01分 公開
[上阪徹ITmedia]

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『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』

 世田谷・成城といえば東京都内屈指の高級住宅街。ここに本店を構えるスーパーがある。その地名を冠した成城石井だ。最近ではテレビにもたびたび登場する話題のスーパーだが、ちょうどその人気が高まり始めた2014年、筆者は『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか』(あさ出版)というタイトルの著書を世に送り出していた。

 なぜ支持されているのか、経営やサービス、商品、人材育成など、さまざまな角度から考察した1冊だったのだが、中でも最も印象深かったのが、商品の話だった。取材で聞いた成城石井に置かれている商品を巡るエピソードは、とても強烈だったのである。

 だが、いろんな角度から考察することを本のテーマにしていたので、一つ一つの商品について詳しく触れることができなかった。そんなわけで、いつか成城石井で売られている商品について、じっくり取材して書き上げる機会を求めていたのだが、それが結実したのが、新著『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)である。

 どうやって商品を見つけてくるのか。どうやって仕入れているのか。トレンドをどうキャッチするのか。その秘密をひもとくべく、約30人のバイヤー、約20人の総菜・スイーツ開発担当者を代表して、総勢11人に20を超える商品にまつわるエピソードを聞いた。

 前著からこの本が出るまでの間も成城石井は成長を続け、2019年の売上高は938億円にもなっていた。前年比約107%。実はその前年も約107%の成長をしており、なんとこの10年で年商を2倍にしている。

 スーパー冬の時代といわれて久しい。デフレという言葉が囁かれ、モノが売れない時代に、なぜ成城石井はこれほどまでに売れているのか。決して安いわけではないのに、どうしてこれほどの成長が可能だったのか。

 その答えの一つは、間違いなく品ぞろえがまるで他のスーパーとは違うからだ。お店に入って、じっくり眺めてみると、それはすぐに分かる。他のスーパーにはまず置いていないものが、たくさん置かれているからである。

 問屋や輸入業者に仕入れを委ねてしまい、入ってきた商品を店頭に並べるだけなら、こんな品ぞろえにはならない。成城石井は自分たちで輸入会社を持ち、バイヤーが世界を飛び回り、国内にもアンテナを鋭く立てているから、こんな仕入れができるのだ。

 実際、バイヤーはカテゴリーごとに担当を持ち、味、品質、価格のバランスがとれた優良商品を常に探し続けている。日本中で、世界中で探し続けている。そして、これぞと思うものがあれば、大胆に仕入れる。だから、その商品の認知度が高まって日本国内で人気が出てきたときには、すでに店内に商品があったりすることが多いのである。

 また、求めるものが見つからないと見るや、自分たちで商品を作ってしまうこともある。メーカーと共に作り上げるオリジナル商品がそうだし、自社工場のセントラルキッチンで作られる自家製の総菜やスイーツがそうだ。

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