連載
» 2023年02月21日 07時06分 公開

第2回:働く幸せと、経済的合理性は両立し得る(1/2 ページ)

西洋と東洋の経営思想や哲学を探求して、数多くの世界トップクラスのカリスマ的な経営者との交流でたどり着いた経営哲学、「絆徳経営」とは。

[清水康一朗ITmedia]
『絆徳経営のすゝめ 〜100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?〜(Amazon)

 私は、マーケティングやマネージメント、リーダーシップに至るまで、ビジネスに特化したセミナーやビジネス情報を扱うポータルサイト「セミナーズ」を主宰しています。個人的に、西洋と東洋の経営思想や哲学を探求して、数多くの世界トップクラスのカリスマ的な経営者との交流でたどり着いた経営哲学が「絆徳経営」です。

 多くの人から、その考え方やノウハウを知りたいとオファーを受けて執筆した書籍「絆徳経営のすゝめ」は、「創業社長にこそ読んでほしい。これが令和の論語と算盤!」とコメントされ、発売初月にAmazonランキングでは8部門で第1位になりました。私のビジネス書で悩める経営者の道が開けるのであれば、それは本当にうれしいことです。そして、世の経営者が、いかに経営を成功に導く哲学や情報を渇望しているかを改めて実感しました。

 私は、「精神的にも経済的にも豊かな日本を作り上げたい」という思いが根底にあります。これまで、常に視点を世界に見据え、Apple創始者のスティーヴ・ウォズニアックやYouTube創業者のチャド・ハーリーなど数多くの講師を招致し、ベールに包まれていたビジネスノウハウを赤裸々に発信するイベントを開催してきました。同時に、「マーケティングαとβ」や「集客フォーミュラ(ΣCR×V)」など数々の理論を提唱して、経営ノウハウを伝授した結果、「『セミナーズ』主宰のセミナーを受けて実践したら、売上が過去最高になりました」といった成功実例が次々と届き、生きた経営哲学の重要性を確信しました。

 近年めまぐるしく変化するいまの時代、経営者の「悩みの質」が刻一刻と変わっているのを肌で感じています。そこで私が提唱したいのが「絆徳経営」です。字のごとく「絆」と「徳」によって醸成されているこの考え方は、欧米の成功哲学と日本的な価値観との埋めがたいギャップが「道徳」にあるという考え方がベースにあります。「学んだ理論を実践しているのに商品が売れない」「品質に問題ないはずなのにリピーターが増えない」など、経営者が悩む問題を解決する突破口をお伝えしましょう。

「三方よし」の発想こそが会社組織の循環を高める

 「買い手よし、売り手よし、世間よし」これは、かつて近江商人が理想としていた商売でした。現代のビジネスは「株主至上主義」に偏ってしまった感が拭えません。しかし、「真の富とは、道徳に基づくものでなければ、決して永くは続かない」と語った資本主義の父である渋沢栄一や、「我利、背徳、圧制などが横行する覇道では、万が一にも事業を行っていった先に、成功するのは絶対に不可能である」という一貫した哲学を持っていた日産コンツェルン創業者の鮎川義介といった、日本を代表する経営者は、「株主至上主義」ではなく「道徳」に基づく経営を実践していました。

 これは、現代に置き換えると「お客さま、社員、社会」に相当する「三方よし」の考え方=「絆徳経営」です。具体的には「相手にとってよいことをする」という原理原則が生かされた非常にシンプルなもの。経営者は、利益を追い求める前に、社員の幸せを本心で願いましょう。すると、社員と会社との間で絆が生まれます。その結果、社員は、顧客のために仕事に取り組みます。すると業績が伴ってきて、社員一人一人が「自分は会社に必要とされている」と実感する一体感が「絆徳経営」の根幹を支えるのです。

働く幸せを社員が実感できれば、会社との間で絆が生まれる

 いまなぜ「絆徳経営」か? と聞かれた時「働く幸せの実感、という考え方が絆徳経営にあるから」と指南しています。どんな社員でも磨けば光る素養があり、活躍できる環境(居場所)を用意して、「自己有用感」を感じてもらうこと、「働く幸せ」を実感してもらうことが求められる時代となりました。

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