そして、そうすることこそが、結果的にお客さまとの永い絆を生み出し、リピートによる売上の安定、集客コストの軽減、採用コストの軽減などの経済業理性につながるのです。だから、経営者は、社員を決して見捨てないでください! すると社員は、会社をありがたい場所と感じ、会社に貢献してくれるでしょう。そんな「働く幸せを実感する」社員を増やすことで、絆を醸成していくだけではなく、生産性が高く、利益率も高い新しい経営の形が「絆徳経営」なのです。
事業の持続化には、SDGsが必須の時代ですが、同時に必要なのは、「人事制度の交通整理」です。従来の人事制度では、対立構造が見られました。上司VS部下、先輩VS後輩などなど。そこで私が推奨しているのは、「社員にとって嫌なことは、極力取り除く」ことです。
例えば、従業員が「長時間労働が嫌だ」と考えるならば、時短勤務を選べる社内システムを作るべきです。その場合、労働条件が変わるので給与が下がることに納得したうえで、長時間労働を排除した時短勤務を選択する社員と、それを真剣に考えてくれた会社との間で、交通整理がなされたわけです。
このように、会社が「約束ごと」を明確に決めて、社員が選ぶ仕組みにする。その結果、対立構造は解決していくでしょう。
弊社では、社員をパフォーマンス(成果)とコアバリュー(価値観)の2つの軸で評価しています。成果が優れていても、価値観やマインドセットに難点があれば、給料は伸びません。
悩む社員に対して、そこで上司の登場です。上司は、部下の評価が両軸から高まるようにサポートします。すると、部下は上司を煙たい存在ではなく、「自分の昇給や昇進をサポートしてくれる存在」になるわけです。
同時に、スキル研修と理念研修の機会を設けて、社員の給料を上げる機会を平等に提供します。つまり、社員に努力してほしい方向性を、目に見える形で明確化することで、確固たる価値観に基づく組織づくりへとつなげていけるのです。
このように弊社では、上司が部下を育てる仕組みを何より重視しています。上司は部下を育てることで、自らも理解を深め、部下とともに成長していくことができます。その結果、社員は全員が役割を持ち「自分は、会社にとって必要とされている存在だと実感できる仕組み」が構築されるのです。
「居場所と絆」こそ、私が提言している「絆徳経営」の体現化です。この「絆徳経営」によって、それまで異なるレイヤーで考えられていた、経済的合理性と企業哲学が両立し得るのが最大の利点なのです。
ラーニングエッジ株式会社代表取締役社長。「セミナーズ」の創始者。「社長の教養」主宰。「精神的にも経済的にも豊かな日本に向けて貢献したい」という思いから、業界最大級のポータルサイト「セミナーズ」を立ち上げ、経営教育の流通に尽力。これまでに、誰もが知る大企業から中小企業まで4万社以上の経営を支援した圧倒的な実績を誇る。
ギリシャ哲学、インド哲学、東洋思想などを探求し、西洋と東洋を融合した和魂洋才の経営哲学を確立。鮎川義介氏などの日本的経営の研究のみならず、アンソニーロビンズ日本事務局長、ブライアントレーシージャパン株式会社の代表取締役会長、ジェイエイブラハムジャパン株式会社の代表取締役会長、ドラッカー学会推進員などを歴任。
絆徳経営、「円形欲求モデル」「マーケティングαとβ」「タイムリバーサル」「W-PDCA」など数多くの経営理論を提唱し、日本人の経済教育、歴史教育、道徳教育をライフワークとして力を注いでいる。
世界トップクラスの外国人講師を招いたビジネスセミナーでは日本最大規模のイベントを行っている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授