「本当に役立った」マネジメントの名著64冊を1冊にまとめてみたビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

どうしてこのような本を書いたのか? それは、この本を手に取ったみなさんに17%の人材になってほしいからで、その17%の人材になるには、良質な書籍を読むことが重要。

» 2023年03月09日 07時08分 公開
[中尾隆一郎ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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『「本当に役立った」マネジメントの名著64冊を1冊にまとめてみた』(Amazon)

 仕事への満足度と貢献感があるビジネスパーソンが増える事を願ってこの本を書きました。

 この本は、みなさんが仕事をする際に役に立つ本を紹介しています。どうしてこのような本を書いたのか? それは、この本を手に取ったみなさんに17%の人材になってほしいからです。そして、その17%の人材になるには、良質な書籍を読むことが重要だと考えているからなのです。

17%の人材になる

 私は2000年から22年間、毎年100冊本を読むと決めて読み続けています。これを決めたのには理由があります。それは17%の人材になりたいと考えたからです。17%は私が担当した調査に関係する数字です。

 当時私はリクルートでリクルートワークス研究所の調査グループのゼネラルマネジャーでした。そこで東名阪1万7000人に対してのワーキングパーソン調査2000を担当したのです。

 その調査で「過去1カ月以内に仕事に関係する情報収集をしたかどうか」を問う設問があったのです。2000年当時ですのでインターネットでの情報収集はありません。専門家や勉強会、そして書籍や雑誌などが主な情報源になります。

 そして、この設問「過去1カ月以内に仕事に関係する情報収集をしたかどうか」に対してYESと回答した割合が首都圏1万3000人で17%だったのです。

 17%、つまり過去1カ月に6人に1人だけが仕事に関係する情報収集をしたと回答したのです。この数字を高いと解釈するのか低いと解釈するのかは意見が分かれるかもしれません、私はかなり低いなと感じました。

 そしてこの17%、つまり6人に1人と残りの83%、つまり6人に5人を比較する追加分析を個人的にしたのです。

 すると、この6人に1人は、残りの5人よりも仕事に対しての満足度が高く、貢献感が高かったのです。更に条件を同じにすると、所得が高く、役職も高いのです。それはそうでしょう。情報収集をする。つまり新しいインプットをする人の方が、仕事で成果が出やすいはずです。その結果、評価され、仕事への満足度や貢献感も感じ、役職や給料が高くなる。因果関係がありそうです。

 定期的にインプットをするだけでこのようなメリットがあるのは、とても投資対効果が高いと感じたのです。これをきっかけに私も新しい情報を入手し続けようと決めたのです。

 そのインプットの情報源を本にしたのも理由があります。ちょうどその当時2000年ごろに初めての本を出版しました。本を書くには、本になる何倍もの情報が必要でした。その中の上澄みの情報、つまりより有効な情報が本になるのです。しかも、本には出版社の編集者が付いてくれ、そのアドバイスを得ることができます。更に校正者も付いてくれるので、正しい情報になります。ただし本は、出版までに時間がかかるので最新の情報ではない事があります。しかし、そのデメリットを補っても余りあるほど、上質な情報を得る事ができる情報源なのです。ですので、定期的に本を読もうと決めました。それもきりが良い年間100冊としたのです。

ところが良い本を選ぶのは骨が折れる

 年間100冊本を読むと決めたのですが、本選びが大変でした。特に当時はそうでした。今だと本屋さんでも書店員さんの手書きのPOPやランキングがあります。ネットでもランキングや書評があるので参考になります。当時はネットも無いので、本選びが難しかったのです。

 また、本を選ぶ際にどうしても、興味のある分野、専門、あるいは著者など偏りが出てまうのです。

 仕事で成果を出すためなので自分の興味関心や専門性で選んで良いと思う人もいるかもしれません。しかし例えばイノベーションを生み出すには、できるだけ違うものを組合わせるのがコツだったりします。アップルの創業者のスティーブ・ジョブズがいうConnecting Dots(点と点がつながる)です。

 だからこそ普通ならば手にとならい分野の本も読むと良いのです。

 私がどうやって手に取らない本を選んでいたのか。それは例えば紙の新聞を取っていた時代は、毎週見開きが本の書評だけ記載されていたページを活用していました。その見開き2ページの四隅にある書評の本で価格が一定額以下を選ぶのです。そうすると、新聞が選ぶ良い本で、かつ通常読まない本を選ぶことができるのです。

 意識せずに本を選んでいる皆さんは、私以上に偏っている可能性があります。それでは、Connecting Dotsは起きないのです。

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