大阪ガスが大阪市此花区で建設を進めていた新研究開発拠点が完成し、現地で2日、式典が行われた。新拠点では、水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガスの主成分「e−メタン」(合成メタン)を生成する先端技術を開発。
大阪ガスが大阪市此花区で建設を進めていた新研究開発拠点が完成し、現地で2日、式典が行われた。新拠点では、水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガスの主成分「e−メタン」(合成メタン)を生成する先端技術を開発。政府は2050年にCO2など温室効果ガス排出が実質ゼロの「カーボンニュートラル」を達成する目標を掲げており、同社も歩調を合わせて実現を目指す。
都市ガスを燃焼させるとCO2を排出するが、e−メタン製造時にCO2を回収するため、実質的に「排出ゼロ」とみなすことができる。従来の都市ガスとほぼ同じ主成分のため、配管などの既存設備をそのまま使えるメリットがある。
新拠点は「Daigasイノベーションセンター」。地上4階建てで延べ床面積が約1万6千平方メートル。周辺の既存施設から研究機能を移転し、約250人が勤務する。
e−メタン合成時のエネルギー変換効率を世界最高レベルにまで高める「SOECメタネーション」の試験施設が隣接しており、研究開発と実証の体制が整った。ほかの企業や大学との共同研究が可能な「共創ラボ」なども備える。
同社の藤原正隆社長は式典後、e−メタン実用化について「一番の問題はコスト。研究開発、技術開発でコストダウンすることに集中していく」と話した。(桑島浩任、写真も)
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