先進的な製品やサービスを住民が暮らす環境で試しながら開発することを目的に建設された世界でも珍しい街だ。トヨタグループ以外の企業などにも開かれており、自動運転などの車の領域にとどまらず、暮らしに役立つ発明を生み出す狙いがある。
トヨタ自動車は25日、静岡県裾野市で建設を進めている次世代技術の実証都市「ウーブン・シティ」を始動した。先進的な製品やサービスを住民が暮らす環境で試しながら開発することを目的に建設された世界でも珍しい街だ。トヨタグループ以外の企業などにも開かれており、自動運転などの車の領域にとどまらず、暮らしに役立つ発明を生み出す狙いがある。
始動したのは約4万7千平方メートルの第1期エリアで、トヨタの関係者らを中心に約300人が住む予定だ。
実証実験はトヨタとグループ企業、ダイキン工業やUCCジャパンなどの外部企業の計19社が開始する。25日の式典でトヨタの豊田章男会長は「ウーブン・シティで起こしていくのは(各社の知見の)掛け算だ」と述べた。
トヨタは、住民がスマートフォンのアプリで指定した場所に自動運転の搬送ロボットが電気自動車(EV)を連れてくる次世代カーシェアサービスや、車両の位置と速度の情報などから信号を自動制御するなど、法律上の制約で公道では難しい交通インフラと車両の連携の実証を進める。
UCCジャパンは、画像を解析するトヨタの人工知能(AI)技術を使った顧客の行動分析などで次世代のカフェづくりに取り組む。
「ウーブン」は英語で「織り込まれた」という意味で、トヨタグループの創始者の豊田佐吉氏が自動織り機を発明したことに由来する。ひ孫の章男氏が5年前に今回の都市構想を打ち出した。
2026年度以降は一般の来訪者の受け入れも始める計画で、将来は居住者も2千人以上に増える見通しだ。
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